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【書評】『デジタル・デトックス』カル・ニューポート

ーデジタル・デトックスとは何か?新しい時代に向けてのスマホとの付き合い方ー

デジタルデバイスの発達により、私たちの身近に存在するスマートフォンの媒体の性質は切っても、切れないものとなってきています。
世界中の誰とでも、自由に繋がる事が出来るスマートフォンの利便性はとても素晴らしいものだという事が言えます。
しかし、スマートフォンは素晴らしいメリットだけではなく、その代償というものが存在します。
カル・ニューポート氏は、デジタル・ツールの過度がもたらす疲労感について、このように引用されています。

「主体性を弱め、幸福度を低下させ、負の感情を増幅し、より大事な活動から注意をそらさせる力ー
私はそういった憂慮すべき問題の数々を目の当たりにして初めて、現代文化の支配者たるテクノロジーとのあいだに危険な関係を築いている人があまりにも増えていることに気づいた。」
(P.15より引用)

ニューポート氏の考え方によれば、スマートフォンという最先端なテクノロジーを最大限に活用しながらも、無理のない範囲でスマホを遠ざけようと考えています。
例えば、デジタルデバイスを使わない安息日を設けたり、寝る前にスマホを持ち込まないこと、通知をオフにするなど、最小限にスマホとの距離を保ちつつ、テクノロジー過多の時代を乗り越える考え方、それこそが‘‘デジタル・ミニマリズム’’という考え方です。
本書で、紹介されるデジタル片付けのプロセスはとても参考になりました。
スクリーンタイムに費やされる時間というのは、とても膨大なものであり、自分が有意義に過ごす事が出来る趣味の時間というのは貴重な存在であるという事が言えます。
『スマホ脳』に続き、こちらで論究されているデジタル・ミニマリズムの哲学というのは一生、使える有益な情報源だという事が理解出来ます。
デジタル・デトックスを行う事で、これまでにスクリーンタイムに費やしていた時間をそのまま、取り戻す事が出来て、なおかつ無為にSNSでインプットしていた情報源が最小限に抑えられて、思考がスッキリするというメリットがあります。
本書から学んだ事は、スマホ依存症に対しての恐ろしさを改めて知る必要があり、あらゆる観点からスマホとの付き合い方を再検討する事でより素晴らしいライフスタイルを過ごす事が出来るという発見がありました。

【参考文献】
『デジタル・デトックス』カル・ニューポート/池田真紀子 訳 (ハヤカワノンフィクション文庫)

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