保育園最後の1年で転園させてしまった申し訳なさとの向き合い方
娘が年長になった2023年の4月。
引っ越しに伴って、4年間通った保育園を転園させた。
転園させるにあたり、かなり葛藤があったが、気付けばもうすぐ1年が経つ。娘の保育園生活も終わろうとしている。
せっかくなので、この1年間の気持ちの変化を残しておく。
転園に至るまで
それまで通っていた園は、区立なこともあってか、建物はボロいし、連絡帳は未だに手書き。
保育時間に関して厳しい面もあった。
それでも、まだよちよち歩きだった1歳の頃から一緒に育ったお友達に囲まれ、先生達もベテランで安心感があった。
園庭も広く、中規模園ということもあり同学年は十数人ほどしかおらず、ママ同士の仲も良かった。
しかし夫と私は、できれば小学校入学までに家を購入したいと考えて、娘が年少の冬頃から本格的に物件を探し始めていた。
遅かれ早かれ、いつかどこかで転居しなければならないのは決まっていた。
あとはタイミングだけ。
結局、
・育休中に引っ越したかったこと(復職後に家を探す時間がない)
・小学校に上がってからの家探しでは、転校しない範囲に限られるため選択肢がかなり狭まること
・入学と同時の引っ越しでは全く知らない土地で通学路を覚えなければならず、友達も1人もいないこと
などなど、総合的に考え、下の子が入園&上の子が年長になるタイミングで転園させることに決めたのだった。
最終登園日
転園するにあたり、旧園ではママ友が送別会を開いてくれた。
娘はもうすぐ4歳、という年齢もあってか、「4月から別の保育園にいくんだよ。新しくて綺麗な保育園だよ」と伝えたものの、あまり転園に実感が湧いていないようで、少しホッとしていた。
しかし。
旧園の最終登園日。
先生が、お友達からの絵手紙をまとめて渡してくれた。
帰宅後に一緒に見ると「またあそぼうね」など、幼い子ども達が頑張って書いたであろう絵やメッセージが並んでいた。
すると娘は、初めて
「新しい保育園行かないもん!!ずっと〇〇保育園に行くもん!!」
と言って、うわーんと泣き出してしまった。
幼い娘はちゃんとお友達との別れを理解していた。
親の都合で申し訳ないことをしてしまった、と涙が出た。
「ごめんね。ごめんね。新しい保育園もきっと、楽しいことがいっぱい待ってるよ。」
と言って、小さな背中をさすってあげることしかできなかった。
転園当初
新しい保育園は、今までと違って新しく、広い園だった。
慣れ保育は1週間ほどだったが、まだ私が育休中だったこともあり、なるべく早めにお迎えに行った。
表情は固かった。
新しい大勢の友達、見知らぬ先生。
食べ慣れない給食の味付けや生活リズム、決まりごと。。
きっと初めは戸惑いもあったのか、4、5、6月と毎月のように熱を出してお休みした。
しかし、段々と娘の口からお友達の名前が出るようになった。
行事や生活にも慣れ、お迎えに行くと「まだこれで遊びたかった!」とプンプンされるようにまでなった。
ひとつ、娘にとって良かったであろうと思われるのは、弟が同時に入園したことだった。
たとえ日中は別々の活動でも、頼りない2歳の弟でも、同じ建物内に家族がいる、毎日一緒に登園するというのはきっと心強かったと思う。
自分よりも弱い存在がいることで、しっかりしなきゃという意識がかえって自分の支えになったりすることもある。
1年経って思うこと
途中、「〇〇(前の)保育園のほうがすき」と言ったりしていたことも、もちろん何度かはあった。
でも、徐々に以前の保育園のお友達の名前が出てくる頻度は減り、代わりに新しいお友達、先生の名前が出るようになった。
同じ小学校に進学する近所のお友達もできた。親子ぐるみで親しくなり、進学への不安も減った。
他にも良かったことは沢山ある。
一からお友達を作る経験ができたことで、自信につながったと思う。
以前の園ではほぼ赤ちゃんからの付き合いで、友達になった記憶はないはずだ。
でも、今の園では一から関係性を作ったのだ。
それに、関わったお友達の総数も増え、周囲の人の多様性を感じることもできたと思う。
以前の園は、女子がかなり多く、男の子は数人で皆優しかった。
今の園は男子の方がやや多いが、良い意味でやんちゃ、元気の良い子がいる。
色んなタイプの人がいるということを、肌で感じることができたはず。
人数も多くマンモス園だが、私立らしく連絡は基本アプリ、オムツはサブスク、日々の連絡帳は沢山の写真と共にアップされて視認性が高い、など、正直なところ親にはありがたい保育園だった。
夏に、以前の保育園のママ友から、お祭りに誘われたことがあった。
約4ヶ月ぶりのお友達との再会だったが、シャイな娘はもじもじして、あまり話さなかった。
他のお友達も心なしか恥ずかしそうにしていて、「ああ、5、6歳の数ヶ月は大人の感覚よりずっと長いんだな」と感じた。
子どもはたくましい。
ほんの数日、数ヶ月で驚くほど成長して、どんどん上書きされていく。
先日、娘が「やっぱり〇〇(今の)保育園すき」と登園前にポツリと言った。
バタバタしていた時だったけど、胸がいっぱいになった。
親にとっては少し寂しい気もするけれど、転園も、悪いことばかりじゃない。
転園を乗り越えた君は、小学校に行っても、きっとお友達沢山できるよ。
子ども自身の成長する力を信じて、小学校生活も見守っていきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?