自身の未踏に到達するためにあるスペースシャトルのブースター切り離し

ロケットは宇宙に到達するためにその過程で部品を切り離しながら飛んでいく。空になった燃料タンクを切り離す事で機体を軽くして推進力を増す。それが切り離し。スペースシャトルもその切り離しを行なって宇宙に到達し、未踏の空にISSという基地を築いた。

僕たちはその先の未踏に足を踏み入れていかなくてはならない。そのためには2回のブースター切り離しでは足りない。どこかで再補充をして飛び立ち、また切り離しを行はなくてはならない。

切り離した部品がどうなるのかも考えなくてはならない。地球の海に落ちるとは限らない。どこかの星に落ちるかもしれない。沈没船のように、その星の生き物たちにとっての住処になったり、違う誰かのブースターとして再利用されるかもしれない。あるいは、どこにも、何にも触れられずに、無限の宇宙を彷徨い続ける星屑になるのかもしれない。それでもシャトルは切り離した部品を気にかける事なく進み続ける。

そのシャトルの中、作業もひと段落して窓の外を見る作業員。いつも窓から見えていたブースターが今日はもう無い。シャトルにとってはもう必要無くなってしまったからだ。しかし、その作業員にとっては窓から見えるブースターが、何か日々にとって必要なものだったかもしれない。その日の作業は少し時間がかかってしまうかもしれない。望遠鏡を手に取って、もう見えないブースターを探してしまうかもしれない。人のそんな部分を僕は愛していきたい。

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