絶対は絶対に無い的な言葉の呪い

 言葉を信じてはいないけれど、言葉を侮っているわけではない。言葉は意味があるから無力で、意味があるから強烈なんだと思っている。言霊と言うように、味方につければ強力な武器であるが、必ずしも思い通りの働きは期待できない。

 「この作品のメッセージはなんですか」と言う文言が大嫌いだ。作家は言葉の意味で形作られるような主題で作品なんて作っていない。と、僕は思う。もっと曖昧で、ぼんやりとした、形のないものを目指しているはず。それをどう言葉にするのかは、観た人の役割であるはず。そんな疲れる事はみんなしたくないのかな?

 それでも、生きている現実はそんなに意味で溢れているものだろうか?きっと言葉で括れないような瞬間の連続のはずだろうに、自分とその他全ての間にあるものが、言葉で意味を決めてしまう事でそれはそこで終わってしまうのに。言葉で呪ってしまった瞬間に、美しかった何でもないものが、その意味でしか無くなってしまうのに。

だからお前ら、そんなに簡単に自分や人を呪うな、僕が生きづらい。

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