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書籍レビュー

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本を読んで学んだ知識や、普段思ったことをまとめます。
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#今月の振り返り

今こそビジネスマンは『おぢいさんのランプ』を読むべきかもしれない

『ごんぎつね』『手袋を買いに』で有名な新美南吉の作品。 多くの人は教科書でしか読む機会のない作家だと思う。 (自分もそうだった) 自分はたまたまSNS上でこの作品を知り、読むに至った。 80年前の作品だが、物事の本質を突いた作品なので紹介したい。 この先はネタバレありで書評をしてきたいと思う。 1.未知との遭遇この話は、技術の進歩によって職を失う人間の心情をリアルに描いている。 巳之助(主人公)は、町でランプの存在を知り、行燈の時代が終わることを知る。 文明開花を肌で感

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.06)

01.活字本01.むらさきのスカートの女 Kindle Unlimited無料。 今村夏子作品は無料対象作品が多いので嬉しい。 むらさきのスカートの女を監視する黄色いカーディガンの女。 異常者を監視する異常者という関係性がなんとも言えない感情にさせる。 監視対象に異様に詳しい理由は最後まで説明されないので、少しモヤモヤ感が残った。 02.あひる 短編×3。 表題作の『あひる』がホラーのようなコントのような作品。 病院に預けたアヒルが違うアヒルになって帰って来る話。

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.05)

01.活字本01.爆弾 このミス2023受賞作品。 爆弾魔vs警察官のミステリー。 『羊たちの沈黙』のレクター博士を思い出させる犯人が良かった。 取調室を中心に犯行が進んでいく展開はアツい。 展開も二転三転し、オチは全く読めなかった。 不満点と言えば、ラストがアッサリとしていたところ。 緊迫した展開から数ページでサラッと終わったのが気になった。 ミステリーということでギミック重視の部分が大きかったと思う。 映像化向きの作品なので、犯人役のスズキだけは拘って選んで欲しい。

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.03)

01.活字本01.スタープレイヤー https://amzn.asia/d/czy549X 『ヘブンメイカー』の前作。 自分は勘違いして2作目から読んでしまったが、こちらが1作目。 30代無職の女性が異世界へ飛ばされ、好きな願い事を10個叶えてもらう話。 2作目と比較すると願い事の使い方がラフ。 話のスケール感も小競り合いメインでコンパクトだった。 個人的には『ヘブンメイカー』から読むことをオススメする。 02.こちらあみ子 https://amzn.asia/d/