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「みんな同じで、千差万別」という価値観/日々の写真/#5

東豪です。東洋医学の哲学的なところが好きだ。例えば、東洋医学で外すことのできない陰陽論には「陰は陽であり、陽は陰である」という、極めて哲学心をくすぐる言葉があり、魅力的な東洋哲学の価値観が、東洋医学古典の中に散りばめられている。


そんな魅力的な東洋医学の言葉と価値観の中で、僕は「みんな同じで、千差万別」が好みだ。柔らかい訓読み言葉とパキッとした四字熟語を並べた、僕なりの東洋医学熟語ですが 笑。人間の普遍性と個性を端的に示した、良い表現だなと思う。


矛盾した考え方の抱き合わせの中に、どんな意味があるのか、ハッと気づいた時の心情のコントラストが気持ち良かった。





古代の情報と現代の情報

20代の頃は、東洋医学の古典にかじり付いた。あまりに堅くて驚いたが、それでも噛めば噛むほどうまみが出る高級スルメのようで、いつまででもうまい。そんな僕も最近は、2000年前の東洋医学古典から現代へと、考え方のベクトルを変え、時代を先駆ける起業家や先端科学の記事を読むようになった。


その中で、高橋祥子さんという遺伝子工学系の若手研究者かつ起業家の方の記事に、「みんな同じで、千差万別」を裏付ける記載があったので、ちょっと紹介します。


本当に、「みんな同じ」だった

「人間の遺伝子は99.9%が一緒なんですよ。ほぼ同じって言っちゃえば、ほぼ同じですね」

引用|【見出し】 ゲノム情報は日本の共有財産

▼引用元URL


思うに、相田みつをさんの「人間だもの」は、きっと、人間の本能性や共通性を指していて、立川談志の「業の肯定」に通ずるものがあるのかな。


本当に、「千差万別」だった

「一人ひとり違う遺伝子の全部が尊い。誰一人同じものを持っていない」

「レアバリアントと呼ばれる極めてレアな変異を絶対にみなさんも持っているんですよ」

「私にもレアバリアントはありますし、たぶんここにいるみなさんも持っています」

引用|【見出し】 人間は「全員レアで、全員が少数派」

▼引用元URL


思うに、金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」は、人間として共通することはあるが、好奇心や嗜好性には違いがあり、人間活動の表現には多様性があっていいよね、と言いたかったのかな。


矛盾した考え方を抱き合わせることの心地好さ

鍼灸の現場にいると、一見すると極めて個性的に見える方の中に、シンプルな「人間だもの」を垣間見ることがあるし、かたや一口に「人間だもの」と単純にくくることのできない複雑さを、同時にもっている。


「みんな同じ」なところも、「千差万別」なところも、お互いに関連し合いながら、時に人間の共通性を、あるいは誰にも替わることのできない個性を発露するのかな。古代から、こんなに人間を理解して、多様性を包括する考え方があったのは、平和な価値観を求めた結果なのだろうか。


みなさまは、どうお考えになりますか。では。


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