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【運龍堂株式会社|代表取締役 佐藤貴繁】さんとの対談 #5

こんにちは。鍼灸師の東です。

今日は「きちんと「聞く」から、きちんと「効く」」をモットーにオンラインで相談できる漢方薬局として杜の都の漢方薬局 運龍堂を運営されている【運龍堂株式会社|代表取締役 佐藤貴繁】さんとzoomでお話しさせて頂きました。

▼杜の都の漢方薬局 運龍堂



1.佐藤さんの活動

佐藤さんは(1)漢方・健康相談、漢方の処方(薬局とオンラインの両方で対応)、(2)薬膳素材や漢方発想の健康食品の卸(3)漢方に関する勉強会の開催などの活動をされています。

これらの活動を通じて、漢方に興味のある方や漢方をしらない方に向けた「漢方の魅力を発信する活動」をされています。

「漢方の魅力を発信する活動」をされている背景には「日本の伝統医療である漢方には、せっかく良いものがあるのに、うまく発信できていない」という痛切な気持ちを持たれていらっしゃいます(激しく同意っ!)。

「漢方の魅力を発信する活動の場」として、一般社団法人 日本漢方普及協会を立ち上げました。代表理事に就任され、漢方に関する情報発信をしながら、国産生薬の栽培による生薬の品質・生産量の維持向上のための計画を、5名の仲間と共に日々奮闘されております。

▼一般社団法人 日本漢方普及協会


国産生薬の栽培は、日本の漢方業界において非常に重要な課題なんですよね。

例えば、生薬の育て方や農薬使用量の基準の問題なんかがあります。日本と中国では農薬の基準が大きく異なり、生薬の品質の担保は重要な課題です。

また、戦争や円安といった混迷を極める社会情勢の中で、これまで通りの輸出入業ができなくなった物流危機の未来を想像すると、自国の伝統医療である漢方を守るためにも、国産生薬の栽培は非常に重要な社会課題なんですよね。

ちなみに、佐藤さんの故郷である北海道では(実は私も北海道出身)、多くの国産生薬の栽培をしています。


2.佐藤さんの来歴

佐藤さんは薬剤師で研究者です。

2003年に薬剤師を取得し、2008年に博士(薬学)を取得されました。

博士課程の途中で、出向のために仙台へ移住されました。それがご縁で、博士卒業後も仙台に残り就職されました。

その会社(研究所)では、研究者が使用する様々な細胞の開発と供給する仕事に従事されたようで、iPS細胞などの研究もなさっていたそうです。

本意気の研究ですね(。-`ω-)

2011年には、かの大震災を経験されました。仙台支店の研究で使用する機械が故障してたために、研究所は札幌支店に統合されたそうです。

そこからは急展開の様相です(。・_・。)

漢方薬の効果は、ご家族様や親しい方々が日常的に飲まれているのをみて、『漢方って、効くんだな〜』と思い、晩年になってからやってみたいなぁと思っておられたそうです。

しかしながら、震災を機に『もう始めてしまおう!』と、なんと、2012年には杜の都の漢方薬局 運龍堂を開局されました!

勢い!

さらには、あれよあれよという間に、2013年には「宮城県自然薬研究会会長」に就任。2017年には「宮城県伝統生薬研究会会長」に就任されました(展開早すぎて笑)。

▼宮城県自然薬研究会

▼宮城県伝統生薬研究会


3.今後の展望

佐藤さんにはもう一つの顔があります。

実は、2011年に福祉社会法人 緑仙会理事に就任されており(いくつ就任するんだろう…)、障害福祉にも造詣がおありです。

近い将来には、一般社団法人 日本漢方普及協会による国産生薬の栽培の試みと、障碍者雇用を掛け合わせた  福祉✖️農業(生薬の栽培 ) のモデルを全国に展開される計画で、各方面との繋がりを模索されていらっしゃいます。

▼福祉社会法人 緑仙会


漢方の薬剤師という軸に、多方面でご活躍されている姿は、東洋医学の鍼灸師としては非常に興味があり応援させて頂きたく思います。

これからは、自分の軸を持ちながらある種の変数(他職種・異業種)をインタラクティブに影響を与えつつ、これまでにない製品・サービス・スタイルができていく時代なんだろうなと思いました。


4.対談内容

対談というより、私のご相談でした笑

師匠・伊藤瑞凰先生の治療院は、1階を漢方薬局、2階を鍼灸院として運営されていました。私もそのスタイルに憧れて、2020年に医薬品登録販売者(旧薬種商)の資格を取りました。

しかしながら、実際に漢方薬(第2類まで)を販売できるようになるためには、薬局での実務経験  2年×80h/月  というノルマがあります。これは時間的に難しく、漢方・鍼灸併用の鍼灸院開設は現実的ではないなぁということになりました。

そこで、漢方のご相談ができる薬局を探しておりましたところ、ひょんなことからご縁を頂きました。ありがたいことです。

今後は一齊堂にも、提携漢方薬局として漢方相談の仕組みも取り入れられたら患者さんにとって良いなと思いました。また、鍼灸師を始めとした医療従事者向けや、患者さんを交えた漢方・薬膳講座も開いて下さるという事で、月のイベントとして要応相談したいと思いました。

色々と可能性が広がりますね。

もう一つご相談事として、これは非常に個人的な治療に関することでしたが、師匠が行っていた薬餅灸の復刻についてお話をさせて頂きました。かつて私が、市販のミルを使って自力で粉末生薬を作ろうとした無謀な過去にも、つたない漢方薬の知識にも、佐藤さんはニコヤカに聞いて下さりました笑。

粉末として販売されていない生薬もあるので、別途粉末にして頂けるかどうかなど要応相談させて頂けるとのことでした。また、いくつかの生薬であれば煎じた薬液を混ぜても良いのではないかという貴重なアドバイスも頂けました。

今後ともよろしくお願いいたします。

将来的には、薬餅灸の創新も視野に入れつつ、まずは一つずつ、段階を踏んで、先代の復刻から次の時代に進んでいきたいなと思います。

今日はこの辺で!


今回も読んで頂きありがとうございます。ISSEIDO noteでは、東洋医学に関わる「一齊堂の活動」や「研修の記録」を書いています。どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを共有しています。臨床・教育・研究・開発・開拓をするなかで感じた発見など、個人的な話もあります。

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