滑稽さとヒエラルキー :麻布競馬場『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』の感想
「地方」で学生時代を過ごし、首都圏で働きだしてから10年近くが経つ。自分と周囲のライフステージが上がるにつれて、「首都圏出身者」と自分のような「地方出身者」の間にある容易に覆せない格差みたいなものを感じる機会がたまにある。
先日読んだ麻布競馬場氏の『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』が胸にぶっ刺さった。メディアが作り上げた「東京的な格好よさ/オシャレさ」という価値観に引き寄せられ、その空虚さを内面化してしまった地方出身者が絶望する姿がものすご〜く底意地悪く描かれていて