爆発侍 尾之壱・爆発刀 三三
離れに戻ると、部屋には遅めの夕餉の膳が用意されていた。
右門とおこんは地元の料理に舌鼓を打ちつつ、今後について意見を交わす。
まずは殺生石に向かい、欠片を手に入れたいと願い出るおこんだったが、右門はやや考えた後に、首を振る。
「おこんさんの気持ちは解らんでもないが、とにかく土蜘蛛の脅威を廃する事が肝要だ。殺生石に向かうのは、その後の方が良いだろう」
「ですが、土蜘蛛と戦うにしても、殺生石の欠片をまず手に入れたほうが、わたくしも右門様をお助けして上手く立ち回れると思うのです」
おこんは右門の猪口へと酌をしながら、納得がいかないと首を振り、
「欠片を手にしたこの場で直ぐになにかしらの武器を拵える事は無理ですが、それでも、わたくしの妖力の補助に用いる事は出来ます。それによって、先程お名前を賜りました『烈火』や『旋風』の力も底上げ出来ますし」
「おこんさんの考えも尤もだが、我々は土蜘蛛の塒が何処にあるかを知らぬ。これが危ういと思うのだ。まずはそれを突き止めねば、俺達はいつまでも受け身のままだ」
「受け身のままでは、思うように動く事もままならない。その危険を排する事が重要……と言う事でございますね」
そうだ、と頷き、猪口に口をつける右門。
おこんは空になった右門の猪口に酒を注ぎながら考え込むが、やがて得心したかのように右門に答えた。
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