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ミーハー家族、仲良く沼にはまる

これは完全にアレだ。

最初はほんの興味本位で足を踏み入れ、
まぁいつでも引き返せるだろうと
探索を進めているうちに
気づけば後戻りできないほど
深みにはまっていて
もう自分の力ではどうすることもできない。

そう、私はまんまと沼にハマったのだ。

しかも家族全員で。



きっかけは母のひとことだった。
「ねぇ、○○○ってやつ観てみたいんだけど」

聞いたことのないタイトル。
調べると、韓国にある
大手芸能事務所のオーディション番組だった。相当に有名らしい。

YouTubeで全話無料配信されていた。
便利な世の中だ。
さっそくテレビ画面で再生する。



新たなボーイズグループを結成するための
サバイバル番組。

約30名の見知らぬ青年たちが急に現れる。

「誰がどれだか全然覚えられない」とか
「プロデューサーの帽子が少々
ピチピチすぎやしないか」などと言いながら
1話、2話を続けて観た。

正直私は
強烈に魅了されたわけではなかったが、
母が明くる日も再生していたので
3話以降もつられて鑑賞。


するとどうだろう、
6話目くらいから急激に面白くなり
8話の頃には1秒も見逃すまいと
目を凝らしている私。

終いには、まだデビューメンバー発表の回を
観ていないのに、公式ウェブサイトでメンバーのプロフィールをチェックしている始末。



完全に沼だ。



そして父、途中参加。

私と母が、顔写真とカタカナ韓国ネームを
必死に覚えてようやく3人くらいの顔と名前が一致してきたのに比べ(レベルが低い)
誰ひとり分からない父。

「これって誰」
「あの時歌うまいって言われた子ってだれ」
と鑑賞中の私たちに
横からチャチャを入れる中年のおやじ。

「そんな前のこと言われても分からない」と
答える嫁と「自分で調べな」と冷たくあしらう娘。それでもめげない男。


そう、我が家の沼の構図はいつだってこうなのだ。

まず母が好きになり始める。
私がまんまと影響される。
母娘が沼で楽しくワーキャー言うので
だんだん羨ましくなってきた父が
後になって自ら入浴してくる
というスタイル。

おかげで思春期の私は、
ジャニーズのライブに
お父さんと行く羽目になった。

しかも毎回。欠かさず。

そして誰よりも盛り上がる父。娘を差し置いて誰よりもファンサービスを受ける父。

夢の空間にいるのに
視界の端に現実がチラチラ見えるという
はしゃぎきれないコンサート。

今観ている彼らのコンサートに行くことになったら、やはり皆で行くことになるのだろうか。やれやれ。



とにもかくにも、このようにして新たな沼にまたハマってしまった我が家。

「今日はカレーにするニダ」などと言う
ふざけた韓国かぶれが
この家に3人もいると思うと甚だ恐ろしい。


「お母さんはもうメンバーのことで頭がいっぱいで今も上の空だから」と宣言しだす母に

「ジェ…なんだっけあの子、ジェ…」

と言いながら眠りに落ちていく父。

オーディション番組2周目に突入した娘。


我が家の沼はしばらく干上がりそうにない。

最後までお読みいただきありがとうございます!いただいたサポートで体にいいごはんを犬と猫に買ってあげようと思います。