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認知症介護の「わかっちゃいるけど…。」

「反省なんかしない。私はそんなに偉くない。そんないい人はもう無理。」と開き直ってみました。
いや、ホントは反省した方がいいかもしれない。でも、反省しようという気持ちが今のところ微塵も起きず、「もう、知らん。」と言う気持ちにしかなれない。今までの私だったら、自分を責めて自己嫌悪に陥っていたと思う。でも、段々年取ってきて厚かましくなってきたと見えて、いや〜無理無理、もう無理です。と平気で思える様になってしまった所が、我ながら怖い。

認知症の義母の入浴問題がまた拗れてきて、「みんなが私を虐める」と言い出した。何度も分かりやすく話そうとしても、優しく丁寧に言えば言うほど、「偉そうに、あんた私を馬鹿にして、さぞ楽しいでしょうね。」と憎しげに睨みつけてきて恨み言をいう、耳が遠いし理解力がないので、段々こちらの声が大きくなると、「あーもうそんなに怒鳴らないで、こっちは呆けた婆さんなのに。」と急に年寄りぶり始める。もう、憎たらしい事この上ない。嫁である私は、実の息子である夫が言いたい放題なのに比べて、優しく丁寧な言い方を通してきたが、先日は遂に、「もういい加減にしてください!誰も意地悪なんかしてないでしょ。そんなにお風呂に入りたくないんなら、もう入らなくていいですよ!」と、言ってしまった。私も怒っているが、義母もプリプリ怒っていた。多分、自分が言っていることも言われたことも忘れて、なんか忘れたけど喧嘩して、嫁に楯突かれたし、息子にも怒られた。ムカつく!と思っていると思う。
本当は、認知症の人は、状況が全く飲み込めておらず、なぜ自分が入浴させてもらう必要があるかも全く理解していないので、毎回毎回、同じリアクションなのだが、病気なので仕方がない。仕方がないので、ムキにならずにその気になんとかなってもらわなければいけない。私は、新米下っ端とはいえ、訪問ヘルパーなので、この対応の仕方が最悪なのは分かっている。どういえばいいのか正解はわからないが、根気よくいろんな言い方を試してみなければいけない事も頭では分かっている。仕事だと思えば辛抱し、上司や同僚に相談するかもしれない。が、しかし、身内となると話は別だ。だって、このやりとりを半年以上、週2回やっているのだ。何回やっても白紙に戻り、どうやっても納得してもらえない。毎回大騒ぎになる。

宥めすかして騙して入浴に持っていくか、風呂入らなくても死なないだろうから入らなくてもいい事にするかのどちらかだ。

私は、もう、そんなに嫌なら風呂入るな!を選びたい。

ところが、実の息子は、母親が風呂に何日も入らないのが許せないのか、脅してでも入浴させようとする。

そして、また義母が、「あんた達が虐める」と言い出す。負のスパイラルだ。

私は嫁として、よりよい介護をしたいと健気にもどこかで思っていたのだと思う。だが、だんだんそれが薄れてきた。もう、薄ーい気持ちでやる。

子育てに喩えれば、全然いう事を聞かないイヤイヤ期の二歳児みたいなステージに、義母は今いるんだと思う。ここからさらに認知症が進んだら、ものすごい可愛いおばあちゃんになるかもしれない。ならないままかもしれない。
でも、今のところ、全然可愛くないよねという事で夫と意見が一致した。

ここまで書いたものを読み返して、我ながら相当煮詰まってきていると思うが、書いた事で、もう気が済んだ。まだ、もうちょっと頑張れる。心をあまり込めないで、淡々とやれる事だけやろうと思う。