事業会社の社内SEをやっているけれどもこのままで良いのか将来が不安な若手の方へ#5
社内SEとITベンダのSEの違い
社内SE(社内システムエンジニア)とITベンダのSE(システムエンジニア)の違いを、コストセンタおよびプロフィットセンタの観点から説明すると、以下のような違いがあります。
1. コストセンタ vs. プロフィットセンタの基本概念
コストセンタ:
企業内部の部門や部署が、直接的な収益を生み出さないが、運営に必要な活動を行う部分。
例: 経理部、総務部、社内IT部門など。
社内SEは通常コストセンタに分類され、ITインフラの維持や業務効率化を図ることが主な役割です。
プロフィットセンタ:
企業の利益を直接生み出す部門や部署のこと。
例: 営業部門やマーケティング部門、ITベンダ企業そのもの。
ITベンダのSEはプロフィットセンタに分類され、顧客に対してサービスやソリューションを提供することで収益を得ています。
2. 社内SEの役割と特徴(コストセンタ)
業務の目的:
社内SEは、企業内部のITシステムやインフラの安定稼働をサポートし、社内業務の効率化を目指します。直接的な収益は生み出しませんが、システムの信頼性を向上させることで間接的にコスト削減や業務効率向上に貢献します。主要な業務内容:
社内ネットワーク、サーバー、セキュリティの運用・管理
業務システムの開発・保守
社内ユーザーへのITサポート
利益貢献の形:
社内SEは直接的に売上や利益を生むわけではなく、むしろ人件費や設備費がかかります。しかし、システムのダウンタイムを減らすことで間接的に損失を防ぎ、業務効率を高めることで全体的なコスト削減に寄与します。評価基準:
社内SEの評価は、業務の効率化やトラブルの迅速な解決、システムの稼働時間の維持など、定量的な利益ではなく、会社全体に対する間接的な貢献度で測られます。
3. ITベンダのSEの役割と特徴(プロフィットセンタ)
業務の目的:
ITベンダのSEは、顧客に対してITソリューションやシステム導入、サポートを提供し、それに対する対価を得ることが主な目的です。彼らの仕事は直接的に売上に結びつき、企業の利益源となります。主要な業務内容:
顧客のシステム要件のヒアリングや提案
システム設計・開発・導入
導入後の保守やサポート
ITサービスやソリューションの販売
利益貢献の形:
ITベンダのSEは、顧客からの契約金やサポート費用、システム開発費などの形で会社に利益をもたらします。彼らの仕事の成果は、売上や利益に直結します。評価基準:
ベンダSEの評価は、プロジェクトの成功、顧客満足度、契約獲得数や売上額など、直接的な数値で測られます。業績が良いと、会社にとっても明確な利益源となり、プロフィットセンタとしての役割を果たします。
4.ジョブ型雇用制度の推進
ジョブ型雇用制度の推進は、グローバル競争力の向上、デジタル化の進展、労働市場の流動性、成果主義の強化、ダイバーシティの推進、そして新型コロナによる働き方の変化といった要因が背景にあります。これにより、企業が必要とする専門的なスキルを持った人材を確保し、生産性を高めるための新たな雇用形態として、日本で導入が進んでいます。
5. 言いたいこと
社内SEの性質
・コスト部門であるため少人数で回したほうが効率的
⇒浅く・広くのスキルが必要(ジェネラリスト)
・システムエンジニアというよりは、システム企画+ベンダコントロール管理職
・終身雇用制が担保されているなら別に問題なかった。
ITベンダのSEの性質
人月商売である(特定のスキルに対して代金をもらう)
⇒深く・狭くのスキル(スペシャリスト)
いま世の中で何が起こっているか?⇒ジョブ型雇用制度の推進
=ジェネラリストよりスペシャリストが重要視される流れ
⇒つまり社内SEの従来のジェネラリスト的なスキルセットでは今後の転職力はますます落ちていく可能性がある!
⇒自分のスキルセットを再考すべき!!