虹とりんごジュースと銅鑼の音
函館にいた時、父が単身で青森に赴任した。
父と私達(母、兄、私)は青函連絡船で行ったり来たりした。時は昭和38年、私は8歳。
国鉄青森駅の正面玄関から船乗り場までは遠かった。階段を昇り、通路を何度も曲がりやっと着いた。その途中にぽつねんとりんごジュースの販売機があった。
高さ150センチ幅30センチ。一番上の部分は透明で、ジュースが噴水のようにふき出しているのが見えた。黄金色だった。一度だけ買ってもらったことがある。お金を入れると小さな紙コップがポンッと出てきてジュース