レンドルミン0.25mg
自分がこの世で一番どうでも良い生き物だと思っていた。そのくせ、1人でいるのが嫌だった。誰でも良いからぼくを必要としてほしくて、さまようみたいに生きてきた。
ぼくは、ぼくを気に入ってくれた人に媚び、ぼくを褒めて優しくしてくれる人に恋をした。ぼくの中はまるで空っぽだが、彼ら彼女らの中にぼくがいれば、それで良いんだ。十分だ。十分に。滑稽でもいい。幸せだった。
ぼくを褒めてくれる誰かのために生きたくて、それはこんなぼくでも認めてほしいということで、結局ぼくは、自分ばかり見ている。