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自分らしさを大切にしても良い!38歳独身女性が婚活本を投げ捨てた結果。

35歳の頃、独身の自分に焦っていた。
あの頃の自分を思い出すと、切なくて、ギュッと抱きしめてあげたくなる。

若い頃から、あまり「結婚」にピンと来なくて、気がついたらひとりだった。そんな自分が「欠陥品」のような気がして、夜になると、世界で一人だけ取り残されたような、心細さの中で、よく泣いていた。

恥を偲んで、周りの人々に「良い人がいたら、紹介してください」と助けを求めてみたけど、みんな、遠慮がちに「あなたに合う人はねぇ。。。」と逃げていった。

地元の田舎に帰った時は、とっても親切で、お節介な、いわゆる仲人的存在の近所のおばちゃんにも頼んでみたけど、
「あんたみたいに大学も出て、海外経験もある人と話が合う人で、年齢が近くて、、まだ独身の人はこの辺にはおらへんなぁ。。。」と、困らせてしまった。

私は何も成し遂げていない、ただの35歳の女だったけど、デザイナーというちょっと特殊な職業と、海外に住んでいたという経験が、所謂「婚活」という問題に直面すると、全てマイナス要素になると知った。

もちろん、私は、海外から帰ってきたばかりで、生意気な小娘でもあったと思う。

だけど、なんだか、一生懸命頑張ってきたことがマイナス要素になると感じて、自分を全て否定されたような、そんな切なさだった。

私は、淡いピンクが似合わない女。

どうやら、婚活市場では、めちゃくちゃに自分の価値が低いと言うことを受け入れた私は、仲の良い既婚者の女友達に相談してみた。すると、まず服装から変えろという。
ピンクの洋服を着ろと言うのだ。

今考えたら、あまりにいい加減なアドバイスだけど(笑)
何でもトライする気になっていた健気な私は、唯一持っていたピンク、、、そう、鮮やかなショッキングピンクのとっても気に入っていたTシャツを着て、再度彼女に会いに行った。

モノクロのカッコイイ洋服が好きだった私にしては、かなり「女度を上げて」頑張ったつもりだったけど、彼女に会うと呆れられ、叱られた。

「ショッキングピンクじゃない!!!私が言ったのは、もっと淡いピンク!!!しかも、Tシャツじゃない!フリルとか女性らしいヤツ!!!」

今、流行りの、パーソナルカラー診断で言うと、恐らく、ブルベ冬・骨格ストレートな私は、淡いピンクも、フリルも似合わない。

可愛らしい淡いピンクを着ると、顔色が土色になり、まるで病人のようになるし、フリルがついていたらズングリむっくりに体の比率がおかしくなって、もう、目も当てられない有様だから、愕然とした。

それに、、、、
淡いピンクで、フリルがついている服は、、、
正直、ダサくない???

申し訳ないけど「ダサい人」と定評のある友人に、ファッションのダメ出しをされながら、なんだか、心の中が、モヤモヤした。

婚活本を読んだら、気が狂いそうになった。

仕方がないので「婚活のススメ」的なホームページを読んだり、本をいくつか買った。正直、私の今までの生き方を否定されるような、気が滅入る話ばかりだった。

出来損ない感に打ちのめされながらも、這いつくばって、ベストセラーだと言う1冊を読んだ。やはり、淡いピンクの「男受けする洋服」の事が書いてあった。

ふと、鏡を見ると、意志の強そうなしっかりとした眉毛と、気が強そうな眼光強い大きな瞳を持った、自分の顔が映った。

どう考えても、淡いピンクは似合わない。

そう思った瞬間、私は気が狂ったように「ああああああ〜〜〜!」と叫んで、婚活本を放り投げた

自分が好きでも、似合いもしない、淡いピンクのフリルを着て、
男性の言うことに上手く相槌を打つ技をマスターし、
自分の意見は隠し、特技も隠し、キャリアも隠し、
「男性の好み」になるために、自分を小さく見せる努力をする。

それで、出会った人と、一生涯、一緒に暮らせるのだろうか?

そんな偽物の私を好きになった人は、ずっと私を好きでいてくれるんだろうか?

そして、私は、そんな微妙な趣味の男性を、愛する事ができるんだろうか?


何もかも、馬鹿馬鹿しいと思った。

あの日、小さなアパートで、私は婚活本を放り出し、ギャンギャン踏みつけて、自分らしく生きようと誓った。

自分らしく、毎日を必死に生きて、それでも好きだと言ってくれる人が現れたら、結婚しよう。
そうでなければ、諦めよう!

好きな仕事に打ち込む中で、今の主人に出会った。

それから、1ヶ月以内には、私はアパートを引き払い、母が主催していたアクセサリーブランドの立て直しの仕事のために地元に帰り、朝から晩まで、走り回って必死で働いた。

デザイナーとして働いて来た中で、いつも、自分が関わったデザインによって、クライアントの売上やビジネスが向上したのかどうかが気になっていて
「デザインを利用して、売上をあげる方法を学びたい!」とずっと思っていたので、自分で商売をし、実践し、実験できる仕事が、とにかく楽しかった。

マーケティングの学校に通い、商売の勉強をし、時には震えながら飛び込み営業をし、新しい人々に出会い、学び、数年で、自分でも思ってもみなかったような経験と成長をした。

そして、その仕事を通して、大学の後輩だった今の主人と再会し、
38歳で結婚した。

自分を偽って、結婚しなくて良かった。

色々な考え方があるので、いい加減なことは言えないけど、
私個人的には、あの頃、
自分を偽る努力に時間を費やし、自分を卑下し、惨めな思いをすることを止め、妙な婚活情報を間に受けるのではなく、
自分のやりたいことを必死でやって、自分が自分らしく生きる道を探すことに時間を費やして、良かったと思っている。

35歳から数年間の仕事の経験は、今の仕事にとても役だっているし、
そこで、バリバリ働いている姿を見ていた主人には、意見を隠す必要もない。

結婚してすぐ、私が、黒のシャープなタンクトップを着ていたら、主人が褒めてくれたことを、今でも、思い出す。

「黒髪のショートに、黒のタンクトップとジーンズがすごく似合うね。ハリウッド女優のオフスタイルみたいで、メチャクチャかっこいい!」

主人は、黒のビシッとした洋服を着た私が好きだそうだ。
当たり前だけど、世の中には、そう言う男性も、少なからずいるのだ。

似合わない淡いピンクの洋服を着て、自分を嫌いにならなくていいんだよ。

自分の意見をしっかり持っていることは、悪いことじゃないんだよ。

自分らしく、前を見て、頑張りなさい。

そうすれば、きっと、道は開けるから。


世間の「婚活情報」に踊らされて、不安で泣いていた、、、
35歳の、あの頃の、自分を思い出す度に、
そう言って抱きしめてあげたくなる。



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