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創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation のマナベースを考察する

これは何?

上記の記事で話題になっていたマナベースについて、創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation のケースを整理しておくことを目的とした記事です。

EDH 創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation のキープ基準

創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation のキープ基準は、3ターン目に4マナを出し、創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation を着地させることです。分解すると概ね以下の通りだと考えています。

  • マナ加速が1枚ある

  • 土地が3枚ある

また、4 ターン目には2枚土地を置き、9 マナを出す動きを安定させたいところです。

  • 4ターン目までに1枚フェッチランドを引く

  • 4ターン目までに最低3枚土地を引く

これらの条件を満たすために最適な土地の枚数やマナソースの枚数を算出するためには、超幾何分布を使うことができます。あらかじめお断りすると、筆者は統計は全くの素人で、この記事を書くために最低限のことを学習したのみです。誤りなどがありましたら、ぜひ優しく教えてください。

晴れる屋さんの記事では、以下が参考になります。

実際に算出してみる

エクセルで超幾何分布の確率を算出するには、HYPGEOM.DIST関数を用いることができます。

HYPGEOM.DIST関数では、確率密度関数もしくは、累積分布関数のいずれかを用いることができます。確率密度関数は、確率変数が連続的な値を取る分布において、発生のしやすさを関数に表したものです。累積分布関数は確率変数がある値以下になる確率を表した関数です。

例えば統率者を除いた 99 枚の山札から 7 枚の手札を引いたときに、1 枚以上の土地以外のマナ加速がある確率を算出するには、0 枚の土地以外のマナ加速があることを算出し、以下のように確率密度関数を求めます。

標本の成功数:0(マナソースを引く数)
標本数:7 (最初に引く手札の枚数)
母集団の成功数:15(デッキに追加する土地以外のマナソースの枚数)
母集団の大きさ:99 (デッキの枚数)
関数形式:FALSE (確率密度関数)

=1-HYPGEOM.DIST(標本の成功数,標本数,母集団の成功数,母集団の大きさ,FALSE)
15 枚以上あればフリーマリガンで 90 % を超える

ということで前述の記事にあったように、土地以外に15 枚のマナソースを確保できていれば、90% 以上の確率で1枚は引けそうです。以前は 19 枚確保していた時期がありましたが、やり過ぎだったと言えそうです。

同じように、土地が初手に3枚以上ある確率を調べてみます。統率者を除いた 99 枚の山札から 7 枚の手札を引いたときに、3枚以上の土地がある確率を算出するには、以下のように初手に土地が2枚以下となる場合の累積分布関数を求めます。

標本の成功数:2(土地を引く数)
標本数:7 (最初に引く手札の枚数)
母集団の成功数:34(デッキに追加する土地以外のマナソースの枚数)
母集団の大きさ:99 (デッキの枚数)
関数形式:TRUE (累積分布関数)

=1-HYPGEOM.DIST(標本の成功数,標本数,母集団の成功数,母集団の大きさ,TRUE)
意外と低く感じる。

この辺りの結果を見て、土地 33 枚 + 海門修復/Sea Gate Restoration、マナソース 15 枚 + 緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith と 宝石の洞窟/Gemstone Caverns のデッキを組んだ場合に、何でもよいのでマナソースを 4 枚以上確保できている確率を眺めてみます。

概ね 50 枚確保できていれば 5 割強の確率でマリガンせずに済む模様。
フリーマリガンで 80% までいくには 52 枚必要で、ここを狙うには軽量のサーチで代替したいところです。

この結果を元に、土地 32 枚 + マナソース 15 枚 + 海門修復/Sea Gate Restoration緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith と 宝石の洞窟/Gemstone Caverns の 3 枚で計 50 枚を目安に構築することにしました。この 33 枚という土地の枚数は、創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation 着地後の 4 ターン目に土地を 3 枚以上 8 割の確率で確保できる構成でもあります。

海門修復で 33 枚目の土地を確保している理由でもあります。
マナソースが重たい PiEDH では35 枚の土地を入れています。

最後にフェッチランドを何枚入れるのが適当かを考えてみました。創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation 着地後の 4 ターン目に、1枚引けていることが理想です。

標本の成功数:0(マナソースを引く数)
標本数:124 ターン目の手札の枚数)
母集団の成功数:10(デッキに追加するフェッチランドの枚数)
母集団の大きさ:99 (デッキの枚数)
関数形式:FALSE (確率密度関数)

=1-HYPGEOM.DIST(標本の成功数,標本数,母集団の成功数,母集団の大きさ,FALSE)
80% を目標にすると 12 枚。

調整後のマナ基盤結果

https://www.hareruyamtg.com/decks/546343

これらを眺めると、2 マナ以下のクリーチャーコピーカードは、対戦相手がマナクリーチャーを出すデッキあれば、マナ加速と捉えることができる点で、マリガン基準にも一部貢献し得る点が強いと改めて感じました。
ある程度理詰めで必要なカードを選択できていることが説明できると安心できる性格なので、良いワークになりました。以上です。

参考

【EDH】期待値と確率でデッキを組む(統率者編)https://bajonett.diarynote.jp/201901261327315550/


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