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私という親を支えてくれる「やさいパン」

子育ての悩みは各家庭で星の数ほどあろうが、中でも食に関する悩みは多くの家庭が抱えているものだろう。
何々を食べない、何々しか食べない、全然食べてくれない、等々。その程度に多少の差はあれど、子供が一人いれば必ずと言って良いほど直面するのが食の悩みだと思っている。

そんなご多分に洩れず、現在4歳児と1歳児の子育て真っ最中の我が家が抱えている食の悩みは「1歳児の底なしの食欲」である。
いわゆる「食べない悩み」に比べれば何とも幸せな悩みだろうが、それでも私という当事者にとっては中々に頭の痛い問題だ。

我が家の1歳児は年齢からは考えられないほど、それはもう山のような量を食べたがる。
食材の固さを年齢目安より固めにしても、標準量よりやや多めにご飯をあげてみても、「ごちそうさまでした」と告げようものなら激しく身を捩って大声で拒否。
食事用の椅子から抱っこしようものなら、そっくり返って号泣しながら椅子に戻ろうとする始末。
挙句、食事と食事の合間にも隙あらば食事用の椅子に着席しては、バンバンと机を叩いて主張。
兎に角食が足りないと感じればあっという間に不機嫌になってしまうため、双方泣きたくなってしまうこともしばしばの日常である。

件の下の子は味付け含めまだ大人と同じ食事は難しく、食事として用意できる内容は限られている。
かと言って不足分を手軽なお菓子で埋めようものなら、健康に影響が出ることは目に見えている。

にっちもさっちも行かなくなったそんな私を現在進行形で救ってくれているのが、カネ増製菓株式会社(以下『カネ増製菓』)の「やさいパン」である。


「やさいパン」との出会いは、まだ上の子一人を育てている時だった。
乳幼児関連商品を販売する全国チェーン店での買い物中。ふと、おやつコーナーに陳列されていたパンの袋に目が留まった。

「国産やさい使用」
「便利なチャック付き」
「生野菜換算で約40%以上使用」

上の子も比較的食欲旺盛だった当時。包装に踊っていた文字全てが魅力的に見えた私は、深く考える前に2袋を手に取って買い物籠へと入れていた。

いざ開封をしてみれば、一つ一つは500円玉大の大きさで厚みがあり、どちらかと言えば水分が少なめの様子のパン。

パサつくかな。でも食べてくれたら嬉しいな。

そんな「野菜の補給も兼ねて食べてくれれば御の字」という気持ちで千切って出されたそれを、予想に反して子供は夢中になってバクバク食べた。
チャック付きの袋に10個以上は入ったそれは短期間でみるみる消えていき、次のストックを買いに行ったのは初回から1週間と経たないうちだったと思う。

そして現在。出会いこそ上の子の時だったが、今ではそんな「やさいパン」にお世話にならない日などない。
味覚が似ているのか下の子も「やさいパン」が大好きで、食事が遅いと訴えて叫ぶときや、ご飯が足りないと号泣するときでも、このパンを与えると途端に大人しくモグモグと食べ始める。
挙句外出の時にはチャック付きの包装を免罪符に、一先ず袋ごと鞄に放り込んでは空腹でごねた時にすかさず与えている。

最初はそんな「やさいパン」そのものに感謝の気持ちを持っていたが、あまりにお世話になっていることを自覚するにつれ、徐々に製造元であるカネ増製菓そのものにも興味を持つようになっていった。

隙あらば少しずつでも野菜をあげたい親心をくみ取ってくれる、たっぷりの国産野菜使用。
しかも包装はチャック付きで、日を跨ぐ保存にも手間いらず。
そんな親の痒い所に手が届く商品を生み出せる企業を応援したいという気持ちが芽生えたのも、ある意味必然かもしれない。

株の一つでも買えれば少しでも応援になるだろうかと少し会社について調べてみたところ、公式ホームページから思いがけない事実が判明した。

まず一つに、恐らくはそれほど大きくない会社であろうことが挙げられる。
全国チェーンの店舗で必ずと言って良いほど置いてある商品を作っているのだから、さぞかし大きな企業なのだろう。勝手にそう思っていたのだが、どうやら想像していた規模よりもずっと小さな会社らしかった。
株式も非上場らしく、株を買って応援ということができなかったのは残念だったが、何よりそんな大規模ではない会社が全国の親を救う商品を製造してくれていることに対する驚きと感謝の念が芽生えた。

もう一つには、創業が想像以上に古い会社であったということである。
公式ホームページを拝見したところ、会社案内のページには会社の創業が1890年であることが記載されていた。
和・洋菓子の製造販売から始まった業態は、創業から60年が経った1951年に2代目社長の下で個人商店から「カネ増製菓株式会社」となり、紆余曲折を経て4代目社長の下で現在の業務形態に落ち着いている、とのことだった。
試行錯誤を行いながら現在に至るまで生き残ってきたその姿は、間違いなく各時代の人々の心を掴んできたのだろうなと偉そうな感想ながら感心した。

また公式ホームページの至るところで感じられる、自社製品の品質に対する強いこだわりにも目を見張った。
ホームページのトップには"お客様に最高の満足を提供すること"という文字が踊り、そこから派生するページメニューでは、商品紹介よりも先に「品質・安全方針」のページが名前を連ねている。
その「品質・安全方針」のページをクリックすれば、ページのトップに書かれているのは「我社は、品質を確保することが何よりも重要であると考えています。」という(そして引き続く実際の業務の説明)文言。

こちらも乳児に商品を食べさせることを念頭に置いている以上、ある程度質は重視したいと思っている。が、こちらが想像する以上の品質に対する強いこだわりを目の当たりにし、「やさいパン」、引いてはカネ増製菓をこれからも応援したいという深い感謝の念が芽生えたのだった。


これからも大食漢の乳児の胃袋を支えてくれるであろう「やさいパン」。
最近では下の子が食べているのを見て、自分も食べたいとせがむ上の子の胃袋も支えてくれている有難いパン。

そんな素敵なパンやそれらを製造する会社について、この文章から少しでも応援の気持ちが伝わっていけば嬉しいと思う。

カネ増製菓さん、ありがとう。これからもしばらくお世話になります。

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