世界一ピュアなキス。

「世界一ピュアなキス」と聞いた時何を思い浮かべるだろうか。これは私が世界一好きなゲームの一つであるFinal FantasyⅩ のキャッチコピーだ。 2001年7月に発売され、19年経った今でも数多のハードでリメイクされファンの多い作品の一つだろう。私もこの作品のファンの一人であり、このコラムはただただ、私がFFⅩが好きということを書いていきたいと思う。

初めてのゲーム

私がFFⅩを初めてプレイしたのは発売当初の2001年小学2年生の時である。それまで私は、自分のゲーム機を持っていなく、両親が当時まだ普及していなかったDVDプレイヤーを購入したいと行った意向とクリスマスが重なり、サンタさんは私に初めてのゲーム機をプレゼントしてくれた。そして、そのゲーム機と共に入っていたソフトがFFⅩだったのである。初めて電源を入れ、PlayStation2独特の起動音のあと黒背景にゲームのキーロゴが映し出され、剣とボールと杖が並べて刺さっている映像へ意向する。その時に流れていた「ザナルカンドにて」は今でもプレイリストに入っている。ゲームのキャラクターが喋るということが衝撃的で心象的なシーンで初めて聞いたセリフが「最後かもしれないだろ?だから、全部話しておきたいんだ」という主人公ティーダのセリフであった。小学2年生の自分には何を話しているのかもよくわからなかったが、これから始まる物語にワクワクはできなかった。オープニングのシーンの時点でどこか悲しげで、何かを悟ったキャラクター達の様子に子供ながらに感じるものがあったのだろう。

ロールプレイングゲーム

今思えば、ゲーム特にRPGをプレイしたのはFFⅩが初めてだった。かれこれ現在までの19年間で毎年1回以上はFFⅩを初めから最後までプレイをしており、FFⅩのプレイ時間カンストデータだけで埋まっているメモリーカードは私の宝物である。総プレイ時間は数えたことがないが人生の相当量をこの物語に費やしていることは間違いないだろう。初めてゲームをクリアするまでには半年以上かかり、エンディング後のクリア画面を消すことができずに何時間も付けっぱなしにして母親に怒られた。「世界一ピュアなキス」なんてわかるはずもなく、ただラスボスであるエボン=ジュを倒せたことがただただ嬉しかった。それから幾度とこのゲームをプレイし物語を読み進めていく中で、キャラクター達の意志が見える様になり歳をとるに連れてどんどんとその深みを増していく。

「世界一ピュアなキス」

FFⅩの中で印象的なシーンといえば!ベベルを脱出しマカラーニャの森、聖なる泉でのティーダとユウナのキスシーンだろう。本当にピュアなキスだったのか、下心は無かったのか!なんて言い始めたら収拾がつかなくなりそうだが、極限まで追い詰められ、恐怖や不安を感じている17歳の少女に17歳の少年が下心を持って抱きしめることなど到底できることではないと思う。聖なる泉でのキスシーンの時のユウナの驚いた表情とその後の身を任せ安心した様な表情は、「孤独ではない、人触れ合うことの安心感」を初めて知ったそれに見えた。後日談はなしとして世界一ピュアなキスがそこには存在したのだ。

ユウナとティーダ。名前の由来は沖縄の方言の太陽=ティダ、夜=ユウナと対極にあるもののように見えるが、自分が見えている夜の景色の中でも星のどこかでは太陽が存在しているのだ。


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