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『PERFECT DAYS』

深夜に書かずにおれない。まずわたしは、布団を畳む動作を、自分にとって特別な段階で既視している。

無垢であることの危ういバランスが甚だしい。清掃されるトイレ同様、‘何か汚いものがうつるんじゃないか’ときれいな画面から目を離すことはできずにずっとこわいのだった。

喋りすぎると映画の価値は崩れていく。トキオとニコとモモカズの口からこぼれた説明のいくつかはまだ放り投げられる余地があるのかもしれない。トイレの向かい側で祈る誰かも、隣のベンチに座る誰かもも一言と発しない。けれどものすごく語っている。大いに、そしてとても簡単に、想像をさせる。

錦糸町にて。そして早朝。パーフェクトだ。

おわりの夕陽に照らされてひとみに喜哀がくるくるとする。どちらとつかずにせまってくる。まだ、ずっとせまってくる。

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