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干支供養

中外陶園(愛知県瀬戸市薬師町)で干支供養が行われた。
中外陶園は干支や季節飾り、招き猫などの陶器人形を製造している。「1年間大切に飾った干支をゴミにしてしまうのはしのびない」というお客の声を受け、メーカーとして供養を始めた。今回で35年目、新型コロナの影響で3年間は社内で行ったため、4年振りの一般開催となる。以前はおでんや甘酒のふるまいなどもあったそうだ。会場には干支をどっさりと積み上げた小山があった。総数約4500体、材質は陶磁器のみ。すべての歳の干支が、大小・各色取り交ぜられて圧巻だ。頂上は、去年の干支の兎である。

1月末はまだこれくらい

干支は1月半ば頃から持ち込まれ始め、駐車場の端に並べられるその数は、日を追って増えていく。車で横を通るので「ああ、そろそろ干支供養か…」「だんだん増えてきたなぁ」と個人的な風物詩になっている。持ち込みだけでなく、全国から宅配で送られても来るそうだ。宮城から福岡まで約150便。「このような行事があると助かる」「探して見つけた」などの声が添えられているという。

ばんばん割っていく

干支供養式は鈴木会長の挨拶で始まった。そして宝泉寺の住職と僧侶による、お性抜きの読経。その後は干支割り、干支を割って土に還す。3人の代表者が、台に載せた干支置物を木槌で割る。続いて宝泉寺住職が、積み上げられた小山の周囲を回りながら割っていく。ガシャンパリンと割れて陶器のかけらが飛ぶ。たっぷり2周余。最後に参加者全員が干支塚にお参りをした。

干支塚に感謝をこめてお参り

供養は毎年、立春が明けた2月11日11時と決められている。というのも、十一を縦書きにすると「土」になるから。陶土を原料とする焼き物にちなんでいるという。供養した陶磁器は細かく砕いてリサイクルされるそうだ。「還土干支(かんどえと)」という置物が販売されていた。供養された原料を混ぜて焼いた物だ。素焼き風の竜はギョロリとした目が愛嬌がある。しかも土鈴で、コロコロと素朴な音がする。300円で来年の干支人形の引換券がついてくるので、ほぼサービス品。引き換えの年末が楽しみだが、それまで券をなくさないようにしないと。また、来場者には今年の招福干支と、STUDIO 894(やくし)の飲み物割引券もいただけた。

還土干支と招福干支
左端が招き猫ミュージアム 隣りにおもだか屋 右端がSTUDIO 894

中外陶園のブランド名は薬師窯である。由来は、敷地に行基作と言われる薬師如来の祠があったことによる。薬師町という町名もそこからだそうだ。薬師如来は現在、宝泉寺に祀られている。薬師町は中外陶園の関係施設でいっぱいだ。日本最大級の招き猫ミュージアム、直営店のおもだか屋、去年できたばかりのSTUDIO 894。STUDIO 894では絵付け体験ができ、裏手には巨大招き猫が寝そべっている。薬師町は、毎年9月末の「来る福招き猫まつり」はもちろん、平時から猫好きが集中するスポットだ。

「涅槃大招き猫」 キジトラ 体長約6メートル

                                                                                上杉あずき@STEP 参考  中外陶園ホームページ https://chugaitoen.co.jp 

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