ベルナデッタとかいう女に死ぬほど振り回されて夜も眠れない（FE風花雪月感想）

　この前のMOTHERに続いて「有名だけど遊んだことないゲームを遊ぼう」企画が自分の中で話題になっているのですが、次に手をつけたのは『ファイアーエムブレム 風花雪月』です。その昔にニンテンドーカタログチケットで購入していたのを3年近く眠らせていたんですが、ついに起動する時がきたのだ。

FEシリーズについて知ってること：
・剣と魔法の世界が舞台の戦記物シミュレーションRPG
・エンブレムじゃなくてエムブレム
・死んだら復活しないシビアな戦闘システム
・武器が壊れる
・なんかジョブ？によってはペガサスとかドラゴンに乗れるらしい
・最近のは好きなキャラと結婚できるようになったっぽい
・いつの間にかめちゃくちゃスマブラにFEキャラが参戦している

　シミュレーションRPG自体が久々な気がする。一番やり込んでたのはディスガイアシリーズだったけど、あれはやりたい放題なゲームだったなー。FEは任天堂のゲームだから流石に真面目で王道でしょ。そんならやっていきますか～。

　……という軽い気持ちで始めたわけですが、クリア、したんですよ。とりあえず紅花の章を。主人公に教師をやらせておいてゲーム後半で教え子を殺しに回らせるのヤバ……とか酷いことさせるくせにストーリーはわりとガバくね？　とか色々言いたいことはある……あるんですけど、そんなことよりもこのゲームで散々に打ちのめされ振り回され夜も眠れなくなっている女に出会ってしまったのだった。それがベルナデッタです。

風花雪月、帝国の学級を受け持ったけどベルナデッタがいい性格しすぎてめちゃくちゃ面白い (こいつのこと友達と思ってるやついないでしょ……)#FE風花雪月 #NintendoSwitch pic.twitter.com/xJuMO7PXN6

— azitarou (@azi_tarou) September 21, 2022

ここからものすごいスピードで転がり落ちていくとは知る由もなかった

ベルナデッタについて

　ベルナデッタ=フォン=ヴァーリとは引き篭もり、話を最後まで聞かない、酷い被害妄想、オモシロ叫び声、逃げ足が速い、他のクラスの連中に全然関心がないという、貴族出身のくせに社会性のかけらもないコミュ症女である。

　事あるごとに陰湿さからは程遠い素っ頓狂な奇声をあげ、引き篭もりのくせに食って掛からんばかりの決めつけ被害妄想を当人を目の前にしてベラベラと喋り倒すので始末に負えない。かと思えば絵描き、刺繍、小説の執筆、植物栽培、楽器の演奏など、支援会話では他の生徒と比べて驚異的な趣味の充実っぷりを披露するが、基本的に誰かと趣味を共有するわけでもない。ひとり遊び大好きオタクか。

　とにかく放っておくと自己完結しがちで、いざ外に出ると他人の地雷を踏みまくりなこの女を放置してたら政争の都合のいい道具かコマとして使い捨てられるのがオチであり、初めの方は「へっ、おもしれー女……（上着を肩に掛けながら）」面で見ていたが、5年経っても性格に変化が見られず「こいつは誰かが面倒を見なければマジでヤバい女なのでは……？」と危機感が募ってくるマジのヤバ女だ。

　いやでも分かるんですよ。貴族の娘として厳しく躾けられ、友達もつくれず、部屋から引きずり出されたら半狂乱になって大怪我……最後のは流石にヤバいエピソードだな……座敷牢ブチ込まれなくてよかったなお前……。

　このゲーム、キャラクター間の支援レベルが上がると直ぐに惚れた腫れただのの情事に発展するのだが、例に漏れずベルナデッタもいい感じになる男性キャラが複数人いる……いるが……みんな言い寄り方がなんかベルに甘くない？　なんか「こんなダメダメな私にも理解のある彼がいます！」みたいな感じになってない？　違うだろ……！　お前らにはもっと相応しい伴侶と未来があるだろ！　生涯かけてこんな女の面倒を見るなんてとんでもない！　そんな汚れ仕事を引き受けるのは俺だけでいい……！　こんなに性格が終わってる上に食虫植物に憧れてる女だぞ！駄目だ、他所様に嫁入りさせられねえよ！

　23歳にもなって未だに一人称が「ベル」なのもめちゃくちゃ腹が立つ。いつまで甘ちゃん気分でいるんだよこの女～！

　ハァ……ハァ……

　こいつ……悪びれもせずにいけしゃあしゃあと……！

クソ……女が……！

　か、勘違いするなよ！　俺はこんな女がタイプなわけじゃねえ！　ただこいつをどうにかしようと思ったら一生をかけて添い遂げるしかねえし、そうなったら必然的に俺しかいないんだよ……！　ダメだダメだ！　他の男にお前はやらん！　不幸になるのは俺だけでいい……！

　ク、クソ美人が……！　5年経ったら髪切り揃えてめちゃくちゃ可愛くなりやがって……！　何なんだよマジで！！　あんな野暮ったい芋女みてえなチンチクリンだったくせに……！　ああああ！　何でだよ！　なんでこんな……畜生！　一生側にいてやるからその刺繍のワッペンも描いた絵も小説も秘密の夕焼けも音楽も誰にも見せるな……！　俺だけに……俺だけのもの……う、うごごごごご……………

（おしまい）