【ポケモン剣盾】薄明の翼2話を観た感想を書き殴るだけ

皆さん観ました？俺は観ました。そしてもうダメだ。

現在2話まで公開されてますけど、短編アニメーションとは思えないくらい話の密度が濃い。画風が見覚えあるなとおもったら、製作がスタジオコロリドなんですね。『ペンギン・ハイウェイ』をつくったところだ！すごい！

1話がね、冒頭でダンデ対サイトウちゃんの試合がいきなり始まったときは本当に不意打ちで死ぬかと思った。うわっポケモンバトルやば…口から火を吐いて鋭い爪で切り裂いてくるなんてリザードン全身凶器じゃん…しかも空飛べるし…とか10年以上ポケモンやってて改めて感じてしまった。しかもガラル地方ではこれがスポーツビジネスとして成立しているという。観客から勝利をたたえられるチャンピオンの一方で敗者はひんしになった自分のポケモンのもとへ駆け寄る…何だかめちゃくちゃこみ上げてくるものがある。

でも1話はあくまでチャンピオンに憧れる子供たちが主役なのでひとまず置いておいて、2話ですよ。2話。私はサイトウちゃんに対して限界感情を吐露した怪文書書いてたりしましたけどそれも忘れてください。2話、めちゃくちゃ良かった。実質2時間くらいあったんじゃない？5分とか嘘でしょ？バージョン違いのジムリーダーの1人とは思えない破格の情報量で心のダムが決壊する。

2話感想（箇条書き）

・先の試合でダンデに敗北してワイルドエリアで修行するサイトウ。砂嵐で前が見えない砂漠の地に降り立ったのは前後不覚の状態を示唆しているのか。

・ハイパーボール！最近はジムリーダーや四天王など強者のトレーナーが良く使用していて密かに自分の中で株が爆上がりしている。

・修行の手持ちとして連れてきたのはカイリキー、ゴーリキー、ワンリキーのかくとうタイプお馴染みの3体。タイレーツやネギガナイトが見れなかったのはちょっと残念だったけど、人型ゆえに3体とも表情豊かで彼らがいてくれたおかげで今回のドラマが非常に際立った。

・ワンリキーが元気いっぱいで無邪気な小学生、ゴーリキーが生意気な中学生（かくとうのくせにバテるのが早い）、そしてカイリキーがサイトウちゃんのパートナーにしてとりまとめ役。この尺でそれぞれの個性を描写分けしているのが何気に凄技すぎる…。

・岩陰から現れたサイドンをダンデとリザードンに空目するサイトウちゃん。言外に試合に負けててしまったことを引きずっていることを示していて、リーグカードの記述がめちゃくちゃ沁みる…。

・試合の内容は詳しくは明かされていないけど、ダンデとの戦いこそ「勝てない戦いでも相打ちを狙い全力を尽く」そうとしたが、それでも全く歯が立たなかったのかもしれない。何しろ相手は常勝無敗のチャンピオンだ。

・いやでも自分から野生のポケモンと拳を交えようとするのはどうかと思う。あっちの世界だと一般的なの？

・修行シーン！一つ一つのカットは短いながらもめちゃくちゃ気合が入っていて何回でも観れてしまう。ガラルカラテの型（輝く汗！）！腕立て伏せ（岩を背中に乗せながら！）！ランニング（ギャラドスだ！大好き！）！ゴーリキーが大体へばっているのが面白い。

・どれもポケモンよりもサイトウちゃんが人一倍気合い入れているのが分かり、心の余裕のなさを物語っている。鍛錬には食事や休息も必要ということも抜けてしまうくらい。サイトウちゃん、ここまでずっと思い詰めた表情しか見せてないんですよね。

・雨の中カイリキーと組手。砂嵐に引き続き、天候がサイトウちゃんの心境を表しているように感じてめちゃくちゃ良い演出。でもカイリキーと直接稽古して大丈夫なのか。スーパーパワフルなパンチで地平線の彼方まで吹き飛ばされないか。

・めちゃくちゃ生々しい負傷…。このアニメまったくギャグ描写がないのですごいね。本当に痛そう。

・ここのあたりのカイリキーがめちゃくちゃ良くて、人の言葉は理解できるが話すことができないポケモンのどこを見るかって声音やちょっとした身振りや目や口の表情なんですけど、サイトウちゃんを気遣ってるところが見て取れて本当に良いんですわ…。パートナー、相棒、稽古相手、そしてある種の母性……なんてこった、カイリキーあんたオカンだったのか…。

・洞窟の崩落。連絡手段も無く、明るかった修行シーンから一転してどん底のような展開に。しかし、落下した地下空間の水晶の輝きで自分を見失っているだけじゃなく、周りも見えなくなっていたことを悟る。ここ！ここめちゃくちゃ綺麗！初めて素の笑顔を見せたサイトウちゃん、めちゃくちゃカワイイ…。

・今まで一人で思い詰めていたことを謝るサイトウちゃん。でもカイリキーたちもサイトウちゃんの気持ちをちゃんと理解していたのだ…。ワンリキーの無邪気さがかわいい。こんなにかわいいやつだったっけワンリキー。サイトウちゃんのチョコバーを食べて「おいしい～」の表情もVery good.

・「外に出られる！」ようやく洞窟からの脱出の希望が見えた。いやいや腕けがしてるでしょ！それに無理に崩したら危ないって！ほらまた崩れちゃう……カ、カイリキー！？お前、1本の腕でサイトウちゃんを抱きかかえるように守って残りの3本で崩落を食い止めた……！？なんてこった、お前が優勝だよカイリキー！！

・おそらく生涯で一番カッコいいと思えるカイリキーに出会ってしまった。この頼もしさと母性は完全に♀ですね。♀じゃないとダメだ。

・ずっと鬱屈だった状況から解放されたかのような青空と自然。すごいね……薄明の翼本当にすごい……。「ちょっと、雨宿り」っていうラストの一言も、説明台詞がほとんどなくて「ポケモンがいることが当たり前の世界」で生きている人間を正に体現しているようね最高オブ最高です。えっこれでまだ2話？うそでしょ？こんなヤベー回が続くの？正気か薄明の翼？？？

サイトウちゃんがヤバい

なんといってもサイトウちゃんの情報量が凄まじい。彼女、ソードバージョン限定のジムリーダーで特段ストーリーにも絡んでこない役なのに短編アニメの主役という破格の待遇で見ているこっちがどうにかなりそう。

単純にキャラクター人気があるのはもちろん、ガラル地方のジムリーダーの中では年若く、薄明の翼のテーマである「若者たちの苦悩と葛藤」を描くにはピッタリだったというのもあるでしょう。

いやいやでもこんなに最初から最後までサイトウちゃんたっぷりでいいんですか？？？ちょっとゲーム本編よりも情報量ゲロクソ重くないです？？？

（ホップくんもいましたね　声がついていないのにウールーとのやり取りが脳内再生されて和んだ）

ポケモンソード・シールド『薄明の翼』第2話にて、絵コンテ・演出を担当しました。我が子のようにサイトウ達を描かせていただきました！監督の山下さんはフォローしつつ任せてくれて、凄く頼もしかったです。制作はFILMONY(@filmony0)担当話数、是非最後までご覧ください〜https://t.co/hJhO2pBUJe pic.twitter.com/D0rQa0P4YI

— YojiroArai (@pochi1989) February 18, 2020

最高かよ……

なにこれ

（終わりです）