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ドラクエ4 街

先日はドラクエ4から「街」を演奏し、YouTubeに投稿しました。

ドラクエ4開始直後から聴ける名曲ですね!
明るく活気のある街というイメージが伝わってくるようです。

今まで結構ドラクエの街曲を演奏してきましたが、基本的にスタッカートが多く使われている曲が多いように感じます。
今回のドラクエ4「街」もめちゃくちゃスタッカートが使われていますね。

スタッカートって基本的なアーティキュレーションですが、恐らくどの楽器でも綺麗に演奏するのは非常に難しいのではないでしょうか。

楽典(音楽理論)的にはスタッカートは音価(音の長さ)を書かれている音符の半分の長さで演奏する、という感じになります。
8分音符で楽譜が書いてあったら16分音符の長さで演奏する感じですね。

でも実際には単純に音価を短く演奏すれば良い、というわけではありません。
その曲の雰囲気に合うためにはどんな吹き方をしたら良いのか?
アタックの強さは?
音の処理は?
どのくらい響きを残す?

結構色々と考えることがあるものです。

そういえば高校の吹奏楽部時代、来てくださった外部講師からは綺麗な形の音を出すイメージを持つことを教わりました。
その際、その講師は「ドラクエのスライムを錬成するイメージで」とおっしゃっていたのですが、
女子高生にはそもそもドラクエがあまり伝わらず可哀想な感じになっていた記憶があります 笑
私もドラクエやFF…というかゲームに関する話題で友達と盛り上がれた経験はあまりありません。
小学生の頃のポケモンくらいかな…
特に女子だと周りにゲーム好きはなかなかいないものです。

さて、フルートを吹いたことのある方、現在進行形で演奏している方にはお分かりかと思いますが、
この曲のメロディラインはフルートの中音域で演奏されます。

この中音域のスタッカートが結構クセモノ。
思いっきり吹くと音が裏返るし、遠慮して吹くと中音と低音が混じったどっちつかずな音になりやすい。
特に中音域のE、F(ミとファ)あたりは音が当たりにくいんだけれど、
その辺りの音でメロディが構成されている。
しかも1小節間ずっと同じ音でスタッカートとかね。
簡単そうに思えて実はちょっと難しいポイント。

私の場合、このあたりのスタッカートについては中学生の頃から毎日の基礎練習に取り入れていて、
中音域Fを基準にフルートの全音域を腹圧のみで吹く練習をしています。
これはほんっとうに中学から今でもずーっと続けていて、まず楽器を組み立てたら最初にやる基礎練習となっています。

ちなみに私の基礎メニューはその練習をした後にソノリテ系の音色を作る練習、そしてスケールなどのテクニック系の練習という順番で進行。
特に音作りに時間をかけるタイプです。

また、低音域になりすぎてもスタッカートはとても難しく、このメロディラインの後ろで吹いているアルトフルートの伴奏も結構しんどい。
なかなか発音が難しく音が当たらなかったり、テンポから若干遅れてしまったりするんですよね。

ドラクエシリーズは市販楽譜に忠実に演奏しているとはいえ、自分でどうやって演奏するか考えているので自分で難易度も上げている感じもします 笑

続いてはメロディがフルートからアルトフルートに受け渡されたところについて。
転調部分ですね。

今までは明るく跳ねる、活気のある印象のメロディでしたが、メロディ担当の楽器が代わり、更に転調してスラーが多くなる。
縦のラインがはっきりしていたメロディから横のラインのメロディへと移行します。

個人的にはめちゃくちゃ明るい快晴の朝だったんだけど、ほんのちょっとだけ雲が流れてきて陰りができるような、
ただ明るいだけではない「深さ」が出るような印象を持ちます。
朝〜昼下がりくらいのイメージ。

ドラクエの街曲は個人的にはヨーロッパのマルシェを連想します。
イタリアでやってたマルシェ(…ってフランス語か)を散策したことがあったのでそんなイメージで演奏することが多い。
マルシェの写真はないんだけど、イメージとしてイタリアの街並みをどぞ!

5年前に演奏旅行で行ったイタリア

アルトフルートがメロディになり雰囲気が変わるのですが、意外と9小節のみの短いフレーズなんですよね。
でも明るいところにほんのちょっとのスパイスでメリハリがついて飽きがこない。

ちなみに演奏者目線としてはこのアルトメロディはちょっと運指がヤな感じ 笑
自分でパート割り、音域も考えてるんだけどね。

2〜3小節目がなかなかエグい

というのも最低音までしっかり使っているこちらの楽譜。
フルートをお持ちの方は是非この運指をインテンポで演奏してみてください。
アルトだと移調楽器のため調号がフラット4つ。
フルートの運指をご存知の方には右手の小指がめちゃくちゃ忙しくなるのがお分かりになるかと思います。
上手いこと指を左右上下にスライドさせて演奏します。
きついきついっ!

オクターブ上げようかとも一瞬思いましたがやっぱこの音域で演奏したいよな、と頑張りました。
自分の中にあるイメージをどうやったら再現できるか。
基本的に妥協せずこだわり満載で演奏しています。
ちょっとしたこだわりが伝わると良いなあ。

この後ぜひもう一度聞いてみて。
更にこの記事を読み返しながらまたもう一度。笑
聞くごとに新たな発見があるはず。



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