#文舵練習問題 #練習問題その3 3-1
愛しているならば何も問題はないはずだ。世界中があなた方を祝福する。鳥の囀りはファンファーレに似る。木も岩もすべてが愛を語るだろう。ふたりで手を取り合い海原を渡ってゆく。水面は静かに凪いでいる。満たされた心象風景を疑うことはできない。けれどいつかあなたは海の昏い影を見る。調和のとれた世界はほころび始める。波は恐ろしいほど高く湧き立つ。水は濁り白い波の花が散る。疑念が渦を巻いて押し寄せてくる。浪はどちらかを攫うだろう。そのときお前はお前を恨むか。あるいは自然をうらやむか。海が割れるようにして道が現れる。お前は自然が牙を剥いた姿を見る。目にしているものを信じられるか。それでも生きると誓えるか。
追加問題。上の文章を口語や方言を使って。
愛しとるっていうとるやんか。ほんまかどうかはどうでもよくない? それもそうやんな。俺らの心意気だけが大事や。でもたまにふとわからんくなるんよ。このまままっすぐ走って行って。どこまでもどこまでも進んでって。お前と俺とに子供ができて。幸せやなって言える時間がすぎてって。でもいつかそれがほころぶ時がくるやんか。永遠ってないもんやから。俺らはそのとき。いや、俺は、お前は、そのとき。どうなってるんやろうな。どないしてるんやろうなって。そんな先のことはな、考えるだけあほらしいから。突っ走って立ち止まった時に考えたらええわ。走る先から足がもつれていきそうなんよ。ほなもうめんどくさいこと考えるの止めよ。一旦車止めてお茶でも飲も。落ち着いた? ほなまた次の目的地まで。飛ばすで。ゲロは窓開けて外にして。
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