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ヒロインズを読んだので

 アナイス・ニンの『インセスト』と、ゼルダ・フィッツジェラルドの『ワルツは私と』を買いました。前、本を買おうかなと呟いたところ、森茉莉とアナイスをテーマに描かれた『父の娘たち』という本をお勧めしてもらったのですが、アマゾンで探したところ在庫がなくて、近所の古本屋さんや図書館をしばらく探してみたいと思っています。

 キタハラさんってweb小説の書き手さんに教えてもらったんですが、これがまたかゆいところに手が届くおススメ上手な作家さんで……小説もうまいのでお勧めです。カクヨムのユーザーページはこちら。キタハラさんの最近の作品だと、「キスをしてもひとり」なんかおすすめです。小説家志望の二人の同棲生活は奇妙な方向に転がり始めて……


 それでゼルダの本は英語なのでしばらく読むのにかかると思うんですが、インセストはサクサク読んでいます。これ二巻なんですってね。アナイスの日記でアマゾンに在庫があったのが、これだけだったんです……。

 アナイスの日記はすごく面白いけど、やっぱり日記で、すごく個人的。そうだな、映像作家の奥様のパス付のブログと言いますか、うん。書き手に思い入れがないとなかなか膨大な日記のすべてを読むことは出来ないかも。そもそも全部は訳されていませんしね。そして私はヘンリー・ミラーを知らない。(無知とは恐ろしいものです)

 このままいくとヘンリー・ミラー、ジョイス、他の男性作家の作品も読まなければいけなくなってしまいそうです。少しずつ読み進めますか! これでジューン・ミラーの日記が残っていたら素敵だったのになぁ。以下は私がジューンが記した体で書き散らした妄想の日記です。


† † † † †

「彼女は麻薬、売女、最低低最悪な悪魔。タクシーでキスをしたときに思ったの。彼女は私の鏡になろうとしてる、ってね。ペパーミント味のキス。ほんとに最悪。彼女のタブレットの味。でも唇の感触はヘンリーよりも素敵だった。シルクみたい。

 わたしの声は、体は、すべてヘンリーの作品を生み出すためのいけにえなの。彼の紡ぐ物語の中で、私の体は永遠に保存される。でも最近思う。彼が書く私に彼女の姿が混ざっている気がする。

 だんだんほんとにわからなくなってくるわ。
 オリジナルの私たち、私たちの紀元について、彼の書くミューズが誰を表しているのか。これは嫉妬かしら? 死の匂いのするワイン。死の匂いってゲロの匂いにきっと似てると思う。そうよ私夕べも吐いて、起きたらゲロまみれで、笑っちゃった。でもアナイスがお風呂に入れて隅々まで洗ってくれたから、今の私からはすごくいいにおいがする。最高の気分。石鹸と、香水と、薔薇の香り。今日も彼女は私を死から遠ざけてくれた。そう、私、今すごくいい気分なの」


 

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