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<No.17>SDGsの各ゴール解説⑦ 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の各ゴール(目標)の解説とアクションのヒントを国連開発計画(UNDP)、国連広報センター(UNIC)の資料を基に行います。SDGsのゴールを達成するためにも、SDGsの各ゴール詳細を知っておくことはアクションに繋げる上で重要になります。ぜひ最後までお付き合いください。
 今回は「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」です。

UNDPでは「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を次の通り解説しています。(灰色部分は引用。)

すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

1990年から2010年にかけ、新たに17億人が電力を利用できるようになりましたが、世界人口が拡大し続ける中で、安価なエネルギーに対する需要も増えることになります。化石燃料に依存し、温室効果ガスの排出量増大をもたらすグローバル経済は、私たちの気候システムに大きな変化をもたらしています。この変化は、目に見える形で世界中に影響を及ぼしています。

しかし、代替エネルギーの利用を促す新たな潮流が生まれており、2011年には、再生可能なエネルギーが全世界のエネルギー供給の20%以上を占めるようになりました。とはいえ、今でも5人に1人が電力を利用できておらず、需要が増え続ける中で、全世界で再生可能エネルギーの生産を大幅に拡大する必要が生じています。

2030年までに手ごろな電力を完全に普及させるためには、太陽光や風力、地熱などのクリーンなエネルギー源に投資しなければなりません。また、さらに幅広い技術について費用対効果の評価を導入すれば、建物や産業での電力消費量を全世界で14%削減できる可能性もあります。言い換えれば、中規模発電所約1300か所の建設が不要になるのです。すべての開発途上国でインフラを整備し、クリーンなエネルギー源を提供できる技術を改善することは、成長を促しつつも環境保全を図るうえで不可欠な目標です。

持続可能なエネルギーの確保は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。

http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg/post-2015-development-agenda/goal-7.html

また、UNICでは、このゴールがなぜ必要なのか、このゴールに対して何が出来るかという視点で以下のように伝えています。

企業は、水力発電源とバイオエネルギーの利用と一層の開発を可能にするため、生態系を維持、保護するとともに、業務上の電力ニーズをすべて再生可能エネルギーで賄うことができます。
雇用主は、通信を優先することで自社の交通需要を減少するとともに、自動車や飛行機よりもエネルギー集約度が低い列車などの交通手段の利用を推奨することができます。 

 
詳細は以下のURL参照
http://www.unic.or.jp/files/853db942f4202b62ef7b9e0fb0902eef.pdf

具体的なアクションを考えるためには、このゴールのターゲットについても知っておく必要があります。ゴール7に連なるターゲットは以下の5つです。

• 7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
• 7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
• 7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
• 7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
• 7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

 例えば、ターゲット7.3「2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。」の具体的なアクションを企業の視点で考えてみた場合、暖房・冷房のテクノロジー、効率的な照明、効率的な電化製品、低燃費車の使用などを通じて、自社のエネルギー消費を削減する。省エネビルの選択などが考えられます。
また、日本では2016年4月1日から、電気小売業の参入が自由化されました。これにより、これまで各地域を管轄する電力会社からしか購入できなかった電力を、どの電力会社から購入するか自由に選べるようになりました。上手に電力会社を選べば、より安価に、より環境にやさしい電力を選択することもできます。経済、環境、社会の3側面を踏まえてエネルギー消費を考える機会としてゴール7について捉えてみましょう。

最後に、2018年12月24日時点の国連本部のウェブページ(About the Sustainable Development Goals)に掲載されている17の目標ごとの「事実と数字(Facts and Figures)」のうち、ゴール7に関するものを挙げます。一見、自分自身に直接関係ないようなことであっても、新たな気づきやビジネスの機会になることがありますのでぜひ押さえておいていただきたい数値です。

• 世界人口の13%は、依然として現代的電力を利用できません。
• 30億人が薪、石炭、木炭、または動物の排せつ物を調理や暖房に用いています。
• エネルギーは気候変動を助長する最大の要素であり、全世界の温室効果ガス排出量の約60%を占めています。
• 世帯エネルギーとしての可燃燃料使用による屋内空気汚染により、2012年には430万人が命を失っていますが、女性と女児はその10人に6人を占めています。
• 2015年、最終エネルギー消費に再生可能エネルギーが占める割合は5%に達しました。

 事業規模や企業か個人かによってできることも異なりますが、SDGsの各ゴールやターゲット、現状の数値を知って、そこから具体的なアクションを考えることがSDGsのゴールを達成する上で重要な活動の一つになります。

 みなさんもぜひ自分のできるアクションを考えてみましょう。

資料:
UNDP SDGs
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html
国連広報センター SDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ、SDGs シリーズ「なぜ大切か」
http://www.unic.or.jp/news_press/info/24453/
国連広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字
http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/

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