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レコード音質改善: 低域共振の制御

レコードの高音質化に努める中で当たる壁。「レコードの中低域ってなんかホワッとしてる気がする…」「反りのあるレコードを再生するとカートリッジがプルプルするし、音がなんか悪くなってる感じがする」
そこから色々と調べてみると、どうやらこれらの対処には「低域共振を制御する」ことが大きなポイントになることが分りました。
低域共振って?: レコード再生はアナログ動作であるが故、カートリッジのカンチレバーを支えるゴムダンパーをバネにした音楽信号とは無関係な共振(ブルブル)が発生しており、これがレコードの反りや偏心に反応してしまうと本来のソースに入っていない音歪が出てしまいます(混変調歪)とのこと。

そこで具体的な対応策として、以下の3点をば。
(1)シェルを軽くする(アーム全体を軽くする)
(2)アーム側もしくはカートリッジ側でダンプをかける
(3)レコードの反りそのものを抑え込む

それぞれの対応の根拠/機材は、
(1)シェルを軽くすれば低域共振周波数の上昇とともに共振の鋭度が小さくなる>>テクニクス純正のシェルを使う
(2)ダンプ機構によって共振鋭度を抑え込める>>後付けオイルダンプ機構KAB TD-1000をSL-1200Gに装着*
(3)共振はレコードの反りに誘発されるのでそれを押さえ込んでしまう>>すり鉢形状のタンテマットOYAIDE BR-12とオーテクのレコードスタビライザーでレコード盤をサンドイッチし、反りを抑え込んでしまう
です。

で、低域共振は客観的にどう測定するのか?は、中古で売ってる超低域信号(5-15Hz程)の入ったテストレコードでチェックします。ピックアップが1番大きく震えたところが低域共振が1番大きく出る周波数とわかります。

先人の知恵になぞらえて上記3点セットで対応すると、本当にホワッと感、中低域の濁り感がとれて中低域が綺麗に出てくるし、加えて再生時の音質の安定感が出てきてマイプレーヤーのSL-1200Gがさらに頼もしくなりました!
特にテストレコードでのチェック上、1番効いているのが明らかだったのは後付けオイルダンプ機構による効果で、共振周波数が上がり、かつプルプルは気にしなくていいレベルまで抑え込めました。
(低域共振のことを知らなかった時は、ヘッドシェルは重い方が音がしっかりする…などと思い込んでいたので、むしろ軽い方がいいというのは意外でした…)

*SL-1200系の後付けオイルダンピング機構は、KABUSAさんやMETALABさんから購入可能です。いずれも欧米圏なので、送料…というより24年1月現在の超円安がネックなのと、ダンプをかけるオイル量調整が少し面倒ではありますが、装着する価値は充分にあります。

レコードライフの音質改善の参考になれば幸いです。




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