リコリス・ピザ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン、ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラットリー・クーパー
高校生のゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優として、実業家として野心に満ち溢れていた。ある日撮影現場の小学校で子役の案内をしていたアラナ(アラナ・ハイム)に一目惚れし声をかける。反発しながら惹かれ合う二人のロマンスが始まるー
カンヌ、ベネチア、ベルリンと世界の三大映画祭全てで監督賞を受賞し、天才監督の名をほしいままにしているポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。主演はアラナ・ハイム、クーパー・ホフマン(フィリップ・シーモアホフマンの息子)の新人俳優二人。ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラットリー・クーパーと名優たちが脇を固める。
どうでもいい相手は簡単に誘えるのに、本当に好きな相手には手を繋ぐのもドキドキする。
冒頭の小学校でのさりげない長回しシーンが良かった。
若干15歳にして俳優で会社を経営し、母親を大切に扱っているゲイリーはある撮影の待機場所の小学校でひと回り以上年上のアラナに出会う。20代半ばで自分を見つけられず、撮影アシスタントをしているアラナは簡単にあしらうがそれでも諦めないゲイリーに少しづづ引かれていく。
クーパーは行きつけのバーでアルコールではなく、コーラーをダブルで頼んだり撮影中に言ってはいけない事を言ってプロデューサーを怒らせてしまったかと思えばウォーターベッドの販売を成功させたり青春を謳歌し、ぽっちゃりとした見た目も魅力的に見えてくる。アラナも彼の気を引くために水着になって見たりするが彼を他の女の子に取られた後に道で立ってる男性にいきなりキスしたり、キレると無茶苦茶に相手を罵ったりとチャーミングで可愛らしく描かれる。
脇を固める名優たちはみんなひと癖以上あるキャラクターばかりでハリウッド近郊の街は本当にあんなにハチャメチャで頭のおかしい人物ばかりだったんだろうなと思う。
喧嘩して、別れた後もお互いの危機になると全速力で助けに行く。
二人が走るシーンが何度も繰り返しされて、印象的だった。
ストレートな青春映画をポール・トーマス・アンダーソンが愛情たっぷりに描いてくれる。
何年か一度あるにひたすら楽しい、恋愛映画だった。
これから何度も見返すだろうと思う。
パンチ・ドランク・ラブ
ポール・トーマス・アンダーソン監督のもう一つ恋愛映画