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閃光と巨大な獣

もう15年くらい前の夢。

車に乗って、
方向的には東京方面から静岡方面に走っている。
自動車専用道路のような道。
左右は木々があって、左手の方には海がある。
海までの距離はそこそこある。
車道は高台にあり左は斜めに降るような感じで視界が晴れた場所がある。
夜。街灯も少ない。
星が見える。空気が澄んでいるんだ。
ヒーターがついてるから、季節は冬。
私は助手席に座っている。運転席の方は視界から外れている。
目の前のデジタル数字は、02:46と表示されていた。

そのときドーン!!という地響きを伴う轟音。
すぐに車を止めた。前を走っていた車も止まった。

私は外を見たくなって、車から降りてドアを閉めた。
その瞬間、前方右の遠くの空が、閃光弾のようにパッと半円状に明るくなった。数秒おいて、ビュウという風と共に、光に近い方から、50mくらいの大きさの巨大な透けたライオンがものすごいスピードで走り抜けていった。
そして間もなくもう一度、ドーン!!と激しい轟音と光。次は同じくらいの大きさの巨大な、やはり半透明の白馬が駆け抜けていった。

車を置いたままその場を離れ、暗闇の中木々の開けた草原のような丘陵を降った。ロッジのような、おそらく別荘だと思われる家がそこにあった。
斜めに下る土地に立っているので、家の周囲と前方に張り出したウッドデッキは幾本もの柱で支えられていた。
窓を割って中に入り、テレビをつけた。
女性のキャスターが、震えながら慌ててきたばかりの原稿を読んでいる。
「繰り返します。(某国)の落下傘部隊があらゆる地方に侵攻しています。身の安全を確保できる場所を探してください。侵略されています。侵略されています!」

とりあえず薪割り用の斧があったので手に取り、テレビや明かりを消してウッドデッキの下に入った。さすがに街でもないし、こんな辺鄙なところにあたりをつけないだろうと思ったが..ここはもしかしたら基地の近くなのかもしれない。
わりと間もなく3名の兵士がきた。
彼らの行動は奇妙だった。冷蔵庫や食料庫を漁って食べ、嬉しそうにベッドに転がってみたり。上官に統率力がないのか士気が低いのか。
テレビをつけたようで音が聞こえてくる。キャスターの悲鳴のような声が聞こえたので局も制圧されたようだった。
明け方近くまでずっとその家を堪能していて、その後出て行った。

しばらくしてデッキの下から這い出た。
朝焼けで空がピンク色に染まっている。
夜は気がつかなかったが、遥か下には海が広がっていた。この眺望のためのウッドデッキだったのか。
めいっぱい伸びて深呼吸をした。空気が美味しかった。
さてと、これからどうしたものか。眠い頭でぼんやりと考えていた。

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