グルメ情報(漫才)

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A「今日は皆さんにグルメな情報をお届けしようと思いまして。」
B「グルメな情報?」
A「そう。めちゃくちゃ美味しいけどあまり知られていない絶品な食材があるんです。」
B「どういう食材?」
A「お魚なんですけど。」
B「いいですね。どんな魚なんですか?」
A「これはね、『アブラボウズ』という魚なんです。」
B「アブラボウズ?聞いたことないですね。」
A「非常に美味しいんですよ。名前の通り脂がすごい乗ってて。」
B「あーいいですね!」
A「その脂の量は大トロにも匹敵すると言われてるんですよ。」
B「絶対美味しいじゃないですか!」
A「それでね、その脂が人間の消化器官じゃ消化できない成分でね。」
B「ん?」
A「食べすぎると下痢や腹痛を起こすんです。」
B「怖すぎるわ。そんなもの食べられるわけないだろ。」
A「肛門から油が漏れちゃうんですって。」
B「紹介するなそんなもん!」
A「だめですか?」
B「ダメダメ。あなた沖縄出身でしょ?沖縄の魚とか教えて下さいよ。」
A「あ、それなら良いのがあります。」
B「なんですか?」
A「これは『イングァンダルマー』という名前です。」
B「おお、沖縄っぽい名前ですね。」
A「この『イングァンダルマー』、実は深海魚なんですよ。」
B「深海魚かー。あんこうとかキンメダイとか。深海魚って美味しいものが多いですよね。」
A「そうなんですよ。そしてイングァンダルマーも脂がすごい乗ってて。」
B「いいですね!」
A「その脂が人間の消化器官じゃ消化できない成分で食べると下痢や腹痛を起こすんですよ。」
B「アブラボウズじゃねえか!同じ魚だろ!」
A「(笑いながら相方に向かって)肛門から油が漏れちゃうんですって。」
B「それやめろ!その紹介文が一番怖いんだよ!」
A「(笑いながら客席に向かって)肛門から油が漏れちゃうんですって。」
B「なんでお客さんに言ってんだよ!笑うな気持ち悪い!もっとまともな魚紹介してくださいよ!」
A「じゃあ最後にとっておきの魚を紹介します。」
B「お願いしますよ。」
A「これは『スキルフィッシュ』という名前でして。」
B「『スキルフィッシュ』…。海外の魚かな。」
A「日本語にすると『アブラボウズ』なんですって。」
B「アブラボウズじゃねえか!」
A「肛門から油が漏れちゃうんですって。」
B「うるせえよ!もういいわ!」

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このネタの肝となる『アブラボウズ』という魚。ホントに実在するんです。

そしてボケが言っているように、味は脂が乗ってて絶品ですが、その脂が人間が消化できない成分(ロウに近い成分)なので肛門から脂が漏れてしまうのです。

なので食べても一切れから二切れまで。と制限をかけるそうです。

昔、『探偵!ナイトスクープ』で似たような魚、「アブラソコムツ」を食べたい!という依頼人がいました。

その依頼人はオムツを履きながらアブラソコムツを丸々一匹完食していました。

受けた講評としては、『アブラボウズ』がマイナーな魚であるため、実在している魚なのか、もしくは架空のヤバい魚を紹介しているのかが曖昧なまま進んでいる、フリの段階で本当にこの魚が実在することを受け手側に匂わせる構成にしたほうがいい。といただきました。

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