野次(コント)

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野次(コント)A:野球選手(ユニホーム、バット) B:観客(ユニホーム、メガホン)

B「かっとばせー!こっばやし!かっとばせー!こっばやし!」
A(空振りする)
B「おい何だよ!ボール球振ってんじゃねえよ!かっとばせー!こっばやし!」
A(ズバン!と三振した仕草。)
B「おい!何やってんだよ!小林!チャンスだったのに!」
A(悔しそうな表情でベンチへ向かう)
B「もっと練習しろよ!二軍行け!」
A「……。」
B「大事な場面で三振とか何やってんだよ!小林!」
A「…。(間を置く)ネクストバッターズサークルで野次を飛ばすな!」
B「うるせえよ!」
A「うるさいのはお前だ!なんで入ってきてるんだよ!」
B「お前のバットはきりたんぽか!」
A「そんな野次聞いたことねえよ!出てけよ!」
B「結局女子アナばかり狙ってるんだろ!」
A「そんなことねえわ!もううるせえよ!いいから出てってくれよ!」
(Bがネクストバッターズサークルから出て)
B「しっかりしろよ!」
A「そういうことじゃねえ!客席に行けって言ってんだよ!」
B「おい!」
A「なんだよ!」
B「お前ちょっと振るときにな、ヘッドの位置が後ろに向いてしまってるから上手いこといかないんだよ。だからヘッドの位置をしっかり意識して振れよ!」
A「ちょっとためになる野次飛ばしてくんな!」
B「でも2ナッシングでも振りに行った積極性は良かったぞ!」
A「アメとムチ!」
A「もういいから!出てってくださいよ!」
B「かっとばせー!し、ば、た!」
A「次のバッター応援すんな!」
B「お!柴田打った!」
A「え、まじ!?」
(AB打球の行方を目で追う)
B「大きいぞ!大きいぞ!」
A「え!?え!?」
AB「入ったー!!ホームラン!」
AB「(一緒に手を取り合って)やった!やった!逆転だー!」
A「なんだこれ!?なにこの状況!?」
B「(メガホンをAに向けて)お前も次は頑張れよ!」
A「もう出てけ!」

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板付きの状態で始まるコントです。下手に野球選手、上手に野次を飛ばす観客。

このコントで重要なのは一番始めの『ネクストバッターズサークルで野次飛ばすな!』というツッコミです。

それまでは”スタンドにいる観客”ということを思わせて話が進んでいますが、上記のツッコミによって初めて野次が至近距離で飛ばされていることが明かされます。

つまりこの”つかみ”の意味がお客さんに伝わらなければその後のコントは地獄の空気で続けることになります。フリに多めに時間を使っている分、リスクの高いコントです。

そして僕の肌感覚ですが、このつかみはなんとなく滑りそうな気がしております。なので供養の意味も込めて公開します。

コメントいただけたら幸いです。


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