杞憂であれ、世界

居心地が悪い夜だった。
それは今日に限らない。
問題ない、こんな夢は何度も見た。
陽気なロシア民謡にデスボイスが鳴り響いて
ラブストーリーが始まる。
トゲトゲのライダースジャケットを着たモヒカン頭の男女2人がキスをする所で核兵器が爆発する。
また会いたいね、会いたいよ。
世界は跡形もなく溶けた。
杞憂であれ。杞憂であれ。

地震速報のように不気味な音でジャニーズの音楽が流れカメムシが耳元で羽ばたくようにバサバサと雨が降っている。非常に居心地が悪い
2日酔いだろうか。
喉元をコーラとラッキーストライクで潤す
捨てたもんじゃないな。
昼から貪るように働く。
疲れ果てて帰路に着く。
こんな世界なんて捨ててやる。
ため息を酒で飲み干す。

YouTubeを開けば白いタンクトップとブルージーンズを履いた小汚いおっさんがカントリーミュージックを歌っている。
世間体にしてみれば眉をひそめられるその姿も
泥臭くて人間らしくて好きだ。
いつかトップチャートに入ってね。

スーパーの牛乳のパッケージにある牧草地で生きていきたい
泥臭く生きれない安全帯付き人生安牌男子。