ゲームプレイ週記#219「Patrick's Parabox」

じっくりと遊べるステージ型パズル

しばらくSwitchは携帯専用機として昼休みに使っていたので、少しずつ進められる面クリアゲームとして前々から気になっていたParaboxを買った。リアルタイムのアクションを必要としないパズルゲームは手が止まるから、おやつの時間にも向いている。このゲームはコンセプトが特異ながらもボリュームが半端ではなく、半年前に買ってそろそろ終わりかと思いながら少しずつワールドの完全クリアを進めていたが、調べたところまだ半分しか終わっていないらしい。

それだけギミックも豊富に用意されているわけだが、問題の品質が高い上に複雑さに波があるから脱落はしにくいのだろう。飽き性なのでRPGと同じくパズルゲームも全面クリアしたほうが少ないが、そんな自分でも折り返し地点まで来られた。演出がうるさくないのも渋い。おまけとしてGUIではなくオブジェクトそれぞれがアスキー文字で表示されるステージもあり、2Dゲームのプロトタイプ制作を経験した者にとっては懐かしい。

再帰倉庫番

ゲームの基本は倉庫番で、2次元のステージ内に配置された箱を押して所定の位置を満たした上でゴールに行くとクリアになる。現代では倉庫番よりもBaba Is Youを例に出したほうが想像しやすいのかもしれないが、なんにせよ文字による説明よりもPVを見たほうが早い。限られたスペースの中で経路を想像し、どこにどの箱を、どの順序で埋めていくのかを考えるパズルだ。

本作の特徴は、中に自身や箱を入れることのできる箱が存在するところにある。箱の中に箱を押し込んで、さらに自分も入り込んで内部で配置した後に出てきて、といった手順が基本的にあり得るわけだ。平面上の位置関係だけではなく、正しい包含関係を推理して導かなければならないのが難しい。そして、その入れ子が循環するようになってからがこのゲームの本領となり、視覚的にも無限ループが表現される。

楽しいステージ

法則が順々に学べるような模範的なレベルデザインが施されている。多重に並んでいる箱を押し込むと最も壁に近い組が処理され、口同士で接している場合には手前側が飲み込まれることが4-5などでよくわかる。このゲームは表現の一環なのかワールドとステージに採番がされていないのが難点で、ステージは分岐しているから説明をするにはワールドの名前とステージの位置を伝えなければならない。

今挑戦しているのはワールド11のFlipで、11-8を解けたときには美しさに嬉しくなった。分岐も類問ではあるのだが、かなり頭を捻る必要があり想像で正解を導くことが難しくなってくる。動かしてみて失敗を確かめながら方針を探る感覚はプログラミングに近い。論理性でいえば、Transferの右側にある分岐3問なんかは多くの箱を使った迷路で複雑に見えるが論理だけで解けてよかった。

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