ゲームプレイ週記#223「Eleven Table Tennis」

VR卓球

花沢健吾のルサンチマンを読んでMeta Quest 2を久々に起動した。なんだかよくわからない名前なのでOculusブランドのほうが良かったと思う。結局VRでDMMの起動時間以上にプレイしたゲームがない理由は、コンテンツがないというよりもゴーグルがずれないように締めると頭部に負荷がかかる問題が大きい。AppleからARのVision Proが出ているが、これもまた疲れるのだろう。実用レベルのジェスチャー入力ができるようになったらスマートグラスが欲しい。

VRでできるスポーツは何かとなんとなく考えていて、卓球ならできるのではないかと思いつきアプリを探してみる。有力候補として「Eleven Table Tennis」と「Racket Fury」があり、トライアルをやってみて挙動にしっくりときた前者を買った。体感型の卓球ゲームがエキサイトピンポンで止まっていた僕にとっては想像していたよりも遥かによくできており、判定を掴めば慣れた動きでそこそこ思い通りの球が出せる。

VRなりのリアル

小学校ではクラブ活動を転々としていたが、6年生のときに入った卓球部で卓球に目覚め、中学3年生の夏まで割と真剣に取り組んでいた。筋力はないがスタミナはあったので身体的にも向いており、技術重視でプレイングの密度が高い個人競技であったことが僕を没頭させた。己の捌き方だけで試合結果が決まるし、そのフィードバックも早い。自分と似たようなゲーマー仲間も多くいたから長続きした。

表裏のラバーを使い分けて相手を撹乱するカットマンのスタイルを当時から好んでいて、バックハンドは粒高のプッシュで広く拾う動きが染みついている。このゲームでもパラメータの設定でアンチ系のラバーを再現してみた。ただラケットの反転はできず、サーブだけバック側で粘着ラバーを使うようなことができない。そういった多少の不便は差し置いてもなかなか遊べるので、リアルの経験者にはVRのスペックを実感するために触れてみてほしい。

本物がやりたくなる

まずはAIと試合をしてみる。シルバーまでは楽勝だが、ゴールドでは攻撃をしてこないものの凡ミスで得点できることがなくなり、こちらから攻撃を入れていかねば勝てなくなる。辛いのが微妙なカットの再現率の問題によってサーブが入りにくいことで、膝を使った横回転よりも事故りにくい下回転で出すようにした。反発力を下げすぎたのか、思ったよりも前に押さないと届かない。このあたりは実物の感触がないがゆえの難しさだ。

そしてオンラインのレーティング戦もやってみた。いろんな国籍のプレイヤーがいて面白く、VRだから握手やお辞儀もできる。攻撃が入る爽快感はあるし面倒な球拾いとは無縁だが、やはり変な打ち方が躊躇われるのと、台を回り込めるだけの広さが部屋にないので二重に気を遣う状態が厳しい。ワンルーム丸々くらいのスペースがあれば伸び伸びと遊べるだろう。冷房の効いた中で汗が流れ落ちるほど本気で動いた後の麦茶がうまい。自転車で施設まで行って数時間打った後に買って飲むジュースのうまさを思い出す。

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