ゲームプレイ週記#211「パノラマコットン」

移植されたプレミアタイトル

1年半前にSwitch移植されていたパノラマコットンがセールになっていて、思い出したかのように買った。昔からやってみたかったゲームで、メガドライブは音源が魅力的だし今からハードを買ってもいいなと思いつつ、パノラマコットンは高すぎてとても手が出せなかった。ごく最近に別のメーカーから再発売されているようだが、原作のほうは中古で15万円にもなっている。それが400円で買えてしまったのだからありがたい。存在は知っていても遊ぶハードルが高かった作品が高確率で現行機に移植される良い時代だ。

近々レインボーコットンのリマスターの発売されるようだが、3DSTGとかコットンシリーズというよりはパノラマコットンの擬似3D表現にこそ興味があったからこれをやる。当時から出回っていなかったためかあまりネットで語られていないが、説明書をスキャンして上げてくれているサイトがある。徹頭徹尾いい加減な説明が楽しい。初代についてはIGCCにはスプライツの企画者による貴重な記事もある。

鮮やかな擬似3D

要は古いレースゲームと同様に、ラスタースクロールとスプライトの拡縮により擬似的にリアビューの表現がなされている、スペースハリアーのような奥スクロールSTGである。ラスタースクロールについては、メガドライブではハードでサポートしているらしい。その視認性の悪さからジャンルとしては流行らなくても、この時代の表現技術には目を見張るものがある。パノラマコットンは64色なのに鮮やかな画面でスプライトも派手だし、背景画像を縦に引き伸ばして自機のピッチダウンを表現した演出などは見応えがある。

STGとしては慣れるまで確かに画面が見づらく、溜め撃ちで妖精が発射されることにすら気付かなかった。R-TYPEのフォースのように飛んでいく妖精は3Dだと存在感がない。自機の移動速度は任意で変えられるが、速度を上げたいのはホーミングされたりして大きく動くエリアとボス撃破後の湯呑みを拾うティータイムくらいか。処理落ちがきちんと再現されている他、クラシックゲームの移植であると嬉しい詳細なシェーダー設定も搭載されている。

ハード2周ノーコンクリア

オリジナルのハードで2周した。2周目は自機が妖精になり尻を拝めるだけのおまけで、突入条件の100万点も死ななければ稼がなくとも取れる。地形が動いたり背後から殴られたりと初見殺しはあるものの、すぐに最大強化になり画面の広さもあるので雑に乗り切れてしまう。そうしてライフアップが倍になる隠しコマンドを使うまでもなく回復していくも、最後の最後には削られた。倒した後のラスボスが走って逃げる背後から弾幕を張って追い詰める愉快なシーンなのだが、やたらに硬いのと浮遊している謎の生物のホーミング性能がやけに高いせいで死にうる。

ツインビーのベルのような挙動のクリスタルを取ると魔法がストックされる。ある程度は色を狙って取れるということだが、どれが強いのかがいまいちわからなかったのでとりあえずバリアを張っていた。やはり3Dだとこういう技の性能がわかりにくい。何も考えなければ視覚的に愛せる作品だが、やってみると見づらさが目立ちやや間延びした感じのする凡ゲーといえよう。新規のシステムであるにもかかわらずプログラマーがただ1人で実装しているのは素晴らしい。

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