ゲームプレイ週記#054「スプラトゥーン2」(7)

超初心者への手引き

3Dアクションゲーム未経験の妹がスプラトゥーンをしたいというので教えてみた。同じく初心者の知り合いに頼み、プライベートマッチで追いかけっこをしてもらってそれを後ろから偉そうに観察する。

最初に見つかった課題は、スティック・ジャイロ両方のカメラ旋回だった。カメラ操作に慣れていない人はキャラクターの進行方向に注視点を向けることが難しいようだ。なのでまずは、目標を中央に捉えるようにスティックでチョンチョンと微調整することを覚えてもらうことになった。慣れるまではカメラが暴れがちだから、感度は最低にしてから上げていくのがいいと思う。人によってはコントローラーを膝に置いたりして固定すると安定するのかも。

あとこれはどのゲームにも、あるいはゲーム以外にも共通することだが、始めたては見るべきものを見るということが難しい。画面の情報をよく識別できないので、敵がどこに移動したかがわからない。特にスプラトゥーンはインクに紛れられるので、すれ違っても気づかないことがよくあった。地図を見るのが苦手じゃない人は、マップを開いてインクが塗り替わる様子から敵を見つけるほうが早いかもしれない。ただ車の運転と同じく、操作を止めている間くらいしかじっくりとマップを見ている余裕はないので、結局近くにいるキャラクターの移動は目視で追えるようにならなければいけない。

ただ敵の発見は難しくても、見えている敵を狙うことについては数時間やれば慣れたようで、喋りながらでも狙いをつけて敵を倒せるまでに上達したのは驚きだった。ゲームに慣れると「見えていても倒せない」という経験がよくあるので、相手が手を抜いているとはいえ弾を当てるのにはもう少し苦戦すると思っていたからだ。たまにこうして人に教えてみると気づきがあって面白い。

親しみやすいゲームデザイン

敵を倒すために放ったインクが足場にもなる。そういったシステムの深みに惹かれてこのゲームを長く続けているプレイヤーは多いわけだが、一方で今なお新規獲得も絶やさずにいられるのはそれだけゲーム初心者への間口が開かれてもいるということだろう。わかりやすく秀逸な点を上げるとするならば、ポップさと覚えさせられる知識の少なさか。

どちらもつまりは見た目に受け入れやすいということだ。人は理解が容易いものほどかわいいなと親しみを感じるし、自分の知っている行動によって生まれた結果には納得ができる。新規プレイヤーが入りにくく寿命の縮まりがちな対戦ゲームでもこの画面の明快さというものに徹底してこだわれば、ゲームを目にした人の多くを引き込むことができる。任天堂はそこが本当に上手い。

対戦ゲームも別に理性だけで楽しむものではないのだ。実況動画やSNSで盛り上げてもらうためにも、様々な感性をもった人々の気分次第なプレイに耐えうる遊びのあるゲームデザインが望ましい。そしてチュートリアルの誘導もプレイヤーがドロップアウトしないよう、本気で丁寧に作り込むべきだ。ビギナーがまったく洗練されていない動きで一生懸命攻略する姿だって尊いのだから。スプラ2のヒーローモードはホタルちゃんの挿入メッセージも気が利いていて素晴らしい。

ガチマッチ再び

このゲームの依存性があまりに高いのでせめてキリのないガチマッチには手を出すまいと自主規制していたのだが、帰省時に暇潰しとして手を出してからやめられなくなってしまった。新規アカウントで始めてもずっとサブアカ部屋で高レートの転生組(ウデマエX上位レベルはかなり珍しいが)と戦わされるから手応えがあるし、ウデマエが上がるまでは長い。

プライムシューターで疑似2確(かすり傷+弾2発で倒せる)を出せるギアが無事に出来上がったので、プライムシューター無印を本命ブキとして使っている。インクを踏んでスリップダメージを受けやすいマニューバーに対しては落ち着いて一旦躱せば一方的に硬直を刺せるので有利が取れる。

プライム無印はサブのポイントセンサーもスペシャルのアメフラシも、無駄になることが少ないから気軽に投げられるのがいい。メインは塗れないし爆発力もないからコンスタントに人数を減らすのが仕事で、対面中は側に味方がいたとしても弾を当てられるのは自分だけだという強い意思をもって狙い撃つことが大事。自分でできることを味方に任せてしまうとそれがチームの崩壊に繋がりうる。

塗り拡げが弱いということは顔を出している時間が少ないということで、その潜伏時間を使って敵のスペシャル溜まりを見るようにしている。あとは開幕のギアチェックも貴重な情報源なので忘れないようにしたい。流れに惑わされず冷静に状況を見て、無駄に撃たず、死なず、生存してカウンターを早めるようにしていれば結果は出ると思う。

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