『ひとさらい』

ひとさらいにあいました
ひとさらいに

風のように光る言葉たち
闇のように危険な言葉たち
蜜のように濡れた言葉たち
求愛ダンスのように情熱的に踊る言葉たち

ああ、あれはいけない、いけません

すでに手遅れ
われわれはもうさらわれている
あの言葉たちに

いいえ、いま吹いているわれわれこそが
ささやく風の
ひとさらいなのです






水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。