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うたがわきしみの宇宙Ⅱ

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140文字では収まりきらなかった、うたがわきしみの世界観。コラムやエッセーやうわごとじゃない。あくまで、なにかしら、きしみの宇宙を匂わす作品になっているものたち。主に詩。ギャグ系…
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2021年1月の記事一覧

幸せの在庫が切れてます

心の贅肉が足りませんね

私の質量は 快適なはぐれ雲 空白の時間を持ち 孤独な重力に耐え いささか頼りなくも あまねく常世に満つ 巻き貝の迷宮を宿り木とし 死に際の地下室を棲みかとす 命が千切られる夢を見ては 鼻を削ぎ落とされ 金魚のように喘ぎ 壊れざる大地を知る 鳴動し続ける予感こそ 実在の己

夜の朝日の中を泳ぎながら歩き 真っ白な黒いバスに乗って 山頂の地下まで進む 海底のさざ波を聞いて お昼ご飯の夜食をつまんでは 全員で独り言を話す 夕暮れの夜明けに やおら風の中で川遊び 自分の住む他人の街まで 全速力で立ち止まり 光の影を踏みしめながら けらけらと泣きじゃくる日々

あの人には逃げる時間も必要だったのよ

僕らは仕事をしなければならない 僕らは仕事をしなければならない 誰が困るわけでもないのに 今日も巨大な石を運ばなければ 僕らは仕事をしなければならない 僕らは仕事をしなければならない 誰に頼まれたわけでもないのに 今日も自分の墓穴を掘らなければ 夕闇を掘り進めなければならない

遠回りして 噛みしめてきた涙だけが 人の心に 深い深い 海をつくるのです

何事も始めなきゃ始まらないんだから 始めたければ始めた方がいいと思うよ なんだって始めてしまえば 始まるものは始まっていくし 逆に始めなければ 始まるものだって始まりはしないんだから まずは始めることから始めてみるといい 一度始まってしまえば それがきっと 本当の始まりになるはず

メロンソーダみたいな顔して

言葉を濡らして

冬 ねじれたショルダーバッグ なにも言わず 直してくれた 幸せ

綺麗な上っ面ばっかで 何も見えねえ世界に 毒々しくざらついた華がたった一輪 あたいにとっては その華だけが唯一 触れることのできる 本当に本当の華だった それさえあれば 世界のくだらなささえ 笑って許せた だからあたいは ひたすらドブの中を彷徨って その華だけを握りしめてた

あんたの作品、ページめくんのが痛えんだよ 痛くて痛くて見てらんねえよ むき出しでバカでゲスで愚かで ちっとも笑えない だけど、だけどさ ぶん殴りたいくらい悔しいよ たまんねえよ だって、だって… あんただけが あたいに風をくれてたんだから! このバカ! 次消えたら殺してやる!

いつかは朽ちて滅びゆくことを あなたはまだ受け入れられていないのですね