【イタリアの光と影016】フォトジャーニー半島周遊の記憶、ミラノの日没は遅い。居住区のアパートメントのテラスから空を仰ぐと白い月が浮かんでいた。既に8時を過ぎている。

ミラノの日没は遅く、居住区のアパートメントのテラスから空を仰ぐと、白い月が浮かんでいた。既に8時を過ぎているというのに、空はまだ明るさを残していた。私の目はしばらくその月に釘付けとなり、心の中に静けさが広がった。

テラスの欄干に寄りかかりながら、今日の出来事を振り返った。CAIROLI Castello駅での出来事、仮面の男との遭遇、そして地下通路で見つけた手掛かり。すべてが一つの線で繋がるのを感じつつも、その全貌はまだ霧の中に包まれていた。

手にしたアルバムをテーブルに広げ、再びそのページをめくった。1942年のヴェネツィアの写真には、あの仮面の男の姿がはっきりと写っていた。彼の眼差しには何かしらの意図が感じられ、私に新たな謎を投げかけていた。

その時、アパートメントの隣の部屋から小さな音が聞こえた。扉の隙間から洩れる光が微かに揺れ動き、誰かが動いていることを示していた。好奇心が刺激され、私はそっとドアを開けて隣室を覗き込んだ。

そこには、年配の男性が一人、古びた机に向かって何かを書き込んでいる姿があった。彼は私の気配に気付き、ゆっくりと振り返った。その顔には深い皺が刻まれ、長い歳月を生き抜いてきたことを物語っていた。

「こんばんは。お隣の方ですか？」と私は声をかけた。

彼は微笑みながら頷いた。「そうです。私はジョルジオと言います。最近引っ越してきたのですか？」

「はい、フォトジャーニーの取材でここに滞在しています。今日は色々なことがありましたが、特に1942年のヴェネツィアの仮面舞踏会に関する手掛かりを探しているんです。」

ジョルジオの目が一瞬輝いた。「1942年のヴェネツィアですか。実は私もあの時期に関心があります。特に、ある出来事に関連して。」

「何か知っていることがあるのですか？」と私は興味津々で尋ねた。

ジョルジオは静かに頷き、机の引き出しから古い手帳を取り出した。「この手帳には、私が若い頃に集めた情報が書かれています。その中には、ヴェネツィアの仮面舞踏会に関する記録も含まれています。」

彼の手帳には、仮面舞踏会の詳細な記録がびっしりと書かれていた。出席者のリスト、会場の配置図、そしていくつかの秘密のメモ。それらの情報は、私が持っているアルバムの写真と完全に一致していた。

「この手帳の内容は、長い間秘密にしてきました。しかし、あなたがその謎を追っていることを知り、共有しようと思いました。」ジョルジオはそう言いながら手帳を差し出した。

「ありがとうございます。これは大きな手掛かりになります。」と私は感謝の言葉を述べ、手帳を受け取った。

その夜、私は手帳とアルバムを照らし合わせながら、仮面の男の正体と彼が隠している秘密に近づいていることを実感した。ミラノの夜空に浮かぶ白い月が、私のフォトジャーニーを見守るかのように輝いていた。新たな一歩を踏み出す決意を胸に、私は静かに眠りに就いた。

JINSEN BOTTI
AIの秘書