麻雀推し活日記④〜ドリームリーグで夢を見た話〜
「初心者は/初心者に対して、かくあるべき」
こんな話をよく目にするのは、自分が麻雀初心者だからだろうか。
少なくとも、この業界は今私のような初心者が増えている。だからきっと、初心者でなくとも「初心者をどう受け入れるか?」といった話題を目にしたこと自体はあるはずだ。
【リア麻やめる?】
さて、これまで推し活の名目でリアル麻雀をゆるゆると楽しんでいた筆者は、1月のSMN CUPでのボコボコの成績と、ネット麻雀でのプロ同卓でちょっとメンタルが揺らいでいた。
負けるのが嫌ということではない(そりゃ嫌だけど、下手くそなんだから仕方ない)。私は放銃もオリも含めて楽しく打っているからいいのだ。でも、それで同卓している人に迷惑をかけていないだろうか?
所作もぐだぐだ、点数申告もおぼつかない。まわりのことが見えていなくてつまらない放銃をするから、同卓者は和了できるものもできない。そんなヤツがいて楽しい?
いくら「初心者歓迎!みんな優しいよ!」と謳っていたって、全員が全員100%そんな気持ちのわけがない、と私は思っている。プロはそういう仕事として受けているから、客に対しては余程のことがない限り優しくするだろう。
しかしそういうプロと打ちたくて、勝ちたくて来ている人は話が別なはずだ。百歩譲ってそれが普通の対局ならいざ知らず、ポイントを争うような大会形式だったり、運良くプロと同卓した時だったり。それが他人の動向で意図しない終わり方をしたら、どうだろう?
そんなことを考えて、怖くなっていた。だったらプロの来るイベントじゃなくて、同じような仲間内で打つのが筋だろう。でも気軽に誘える人なんていないし、そもそも私はあまり時間の融通がきかない。イベントに行く時は頭を下げて夫に子守を頼み、家のことをやってはじめてそのイベントの時間だけ空けることができる状況なのに。
だったらもう、リアル麻雀はやめようかな。
本当に、そう思っていた。
【推し活できるかな】
…それが、数日後にはこの有様である。なんで?
(これが、自分でも本当にわからない)
一度行ってみたかったオクタゴン。立地的にも行きやすく、時折目にするリーグ戦も面白そう。それがタキヒサでドリームリーグだって!えい!と、気づいた時には申し込みが完了していた。
申し込んでから「あ、そういえばリア麻ビビってるんだった」と思い出してゾッとした。そもそも、オクタゴンは初心者歓迎等の表記も特にない。キャンセルしようか迷ったものの、それもお店に迷惑がかかるということで腹を括った。
これで悲しい思いをしたら、しばらくリアル麻雀はやめよう。
それなのに何故申込をしたか?それはたぶん、仲間に会いたかったから。
とにかくフォロワーさんたちに会いたかった。そこに行けばきっといる。そこじゃなきゃ会えない人がいる。私が私個人として話したい人たち。息子や娘のママでも、先生でもなくいられるところ。
なので、今回は自分なりにめあてを3つ立てた。フォロワーさんとお話をする、写真を撮ってもらう、めげずに楽しく打つ。
ちょっとだけ覚悟をもって、1ヶ月ぶりのリアル麻雀に向かった。
【初めてのオクタゴン】
渋谷のど真ん中を歩くなんていつぶりだろう?と思いつつ、場所をちゃんと確認していなかったのと、普段使わないJRで向かったために少し迷う。なんとかたどり着いたオクタゴンは思ったよりコンパクトで、そしてとてもスタイリッシュだった。
初めての利用なので登録とルール説明をしてもらい、始まるまでは先日のイベントでご一緒したフォロワーさんとおしゃべり。知っている人がいるだけで安心する。身支度を済ませ、話しつつそわそわと開始を待っていると、スーツのタキヒサと小山さん登場!(ところで何故スーツ?リーグ戦形式だから?小山さんがいるから??)
挨拶とプレゼント紹介も終わり(寿人さん持参の山のような対局DVDは、引越作業の賜物らしい。なおひとつだけ封が開いている理由は……)、モニターで卓組の発表。50分打ち切り4回戦、その都度卓がわかるパターン。どれどれ私はどの卓ですか、ともらった紙の選手番号を眺めつつモニターを見ると、自分の番号の上には「滝沢」の文字。
え、同卓?しかも滝沢さんと???
正直、今回は同卓のことなんて1ミリも頭になかった。自分のめあてはフォロワーさんと会うことがメインだったし、あとはふたりの写真が撮れて、麻雀は楽しく打てればそれで良かったから。
そもそも滝沢さんとの同卓者は3人×4回戦=12人/57人、つまり全体の中で同卓できるのは約21%。私はそういうのを引き当てるタイプじゃないし、同卓の可能性なんて本当に頭から抜け落ちていたのだ。
これは、とどめになるかもしれないと本気で思った。
最初に滝沢さんと同卓したウィルさんはおまけの1局戦、前回のとりママ友の会はお題麻雀。今回がちゃんとスコアを競う、初めての同卓。こんなところでやらかしがあったら、他の人が冷めるような流れになったら、たぶん私はしばらく麻雀を打てなくなる。
でも。だったらもう開き直って、自分なりに真剣に打ってやる。つまらない放銃だけ気をつけて、やれることをやってやろう。
【真剣勝負の初対戦】
私は西家になり、滝沢さんは南家。最初に思ったのは「所作見れない!」
(※2月のとりママ友の会で滝沢さんの上家だったので、ツモる動作から切るところ、たまの小手返しまでチラチラ眺めていた)
逆に妙な雑念がなくなって良かったかもしれない。滝沢さんの動作は上家の動きとして目の端で追いつつ、自分の手牌にとにかく集中した。時折、滝沢さんは勝負手なのかちょっと溜めつつ外切りしているのを隣から感じて、グッときた。
あまり細かい内容まで覚えていないが、リーチがかかるまではなるべく自分都合で手を組み、リーチが来たら押し返せるか考えつつ安全第一で打つことを意識した。
そしてあまり自分の時に時間を使いすぎないように、他家の捨て牌を見つつ、何が安全か、どう切ったら回れそうかを考えるのはすごく楽しかった。結果、ほぼ放銃はなく、大きな手が誰も決まらないまま局は進む。
自分は配牌が良くても先制をかけられず(たぶんこういうところがまだ全然下手なんだろうなあと思いながら打っていた)、南場に入ってやっとタンピンドラ3で258pリーチを打てたものの和了できず。
あとで聞いたら、みんな何度か高い手を聴牌していたりリーチしていたものの和了できずだったらしい。「あの258pアガってたら決まり手だったね」と滝沢さんに言われて「そうなんですよ〜」とうなだれる私。みんなそんなもんなんだろうね。
ものすごくさくさく局は進んでオーラス。みんな2万点台(南24500-滝23600-私22400-親29500)の全員集合状態で、自分もラスだけどざっくり満貫で大丈夫そう。これはいけるかもしれない。
そんな中で、とにかくツモがきいた。發と自風の北が手にありどちらも自然と重なっていく。鳴くか鳴くまいか考えているうちにふたつとも暗刻になり、ホンイツに行く前に聴牌したので36sでリーチをかけた。2翻あるからリーヅモで満貫いける。8巡目。さすがにみんな押し返してくるかと思ったけど、なんとか掻い潜ってツモあがり!
全部まくってトップになった。こんなに上手くいくことある……?としばらく呆然とする私。簡単なくせに、点数申告ちゃんと出来ずに時間かけてごめんなさい。ひとつずつ確認して申告している最中も、滝沢さんも同卓の方もみんなちゃんと待ってくれたのが嬉しかった。
というわけで、まさかの推しと同卓してトップラス!嬉しかったなー。本当に早く終わったので、おそらく一服しに行ったであろう滝沢さんもまた戻ってきて、感想戦的なことをするだけの時間もあった。実はこれが一番嬉しかった。
他の卓も終わり始めて、サイン会が始まったところで私もMリーグのガイドブックにサインを書いていただき(やっぱり普通に顔と名前を覚えられている……もう驚かないぞ……)、スマホで自撮り2ショまでお願いした。
そろそろ慣れそうで怖いけど、麻雀界の推しとの距離感はやっぱりバグ。おかしい。(自戒)
【それからというもの】
フォロワーさんに嬉々として結果を報告しながら、2〜4回戦。
2戦目は何も出来ずの15900点でラス。
3回戦は12000放銃したり、ダブリー両面待ちアガれたり、裏3のって跳満アガったり、1枚切れの嵌8sリーチで出アガリできたり、ぼっこぼこにやりあった21900点の3着。
4回戦は親のチートイ出アガリのみで、下家の方が暴れまくった24900点の3着。
結果、①433の▲26.9で36/60位。まあまあ頑張ったんじゃない?
なにより、この日は牌の扱いにそこまで苦労しなかったこと、1巡目の理牌中に字牌ポンが普通に出来たことがなによりの収穫だった。慌てずに鳴けたし、落ち着いて臨めるだけの精神状態になれた。そして何より牌を触る時にコツのようなものを掴んだ感覚があって、これを待っていたとまで思った。
所作も、点数計算も、打牌選択も、と気にすることがたくさんあるけど、そのひとつにそこまで意識を払わなくても良くなるのは大きい。
私は昔から「物事の核」(普遍性があって応用のきく、公式やコツみたいなもの)を掴むことで体に馴染ませ、その場で対応すればいいようにして、いろいろなことを乗り切ってきた節がある。
それは幼い頃からのクセで、だからエレクトーンやピアノは絶対音感を身につけるというやり方で練習していたし、高校2年くらいまでは算数や数学が好きだったのもたぶんコレの影響が大きい。所作と点数計算に関しては、コツをつかむのが結構大事だと思っていたので、少し自信になりそうだ。
おまけに、3回戦では下家の北家がラス目で時間内に親番を回すべく、とにかく速く切って局を回そうとしていると感じた私は、自分なりにちょっとスピードアップして打った。それが意外とすんなり(自分なりにだけど)出来たのは大収穫だった。
3回戦は自分なりに学びも多くて、ダブリーの時は配牌をパッと見て「これはそこそこいい手になっている」と慌てず理牌してからツモれた。裏3は完全に自分では頭が追いつかなくて、同卓の方に点数計算を助けてもらった。良かったこともまだまだのことも、なんだって学びだと思えるくらい、心地良く楽しいリーグ戦だった。
【夢のような一日】
そんなわけで、対局自体大満足で最後の写真タイム。タキヒサに挟まれると167cmの私もがきんちょサイズになるの新鮮でおもろい。
帰り際にはどうしてもお話ししたかったフォロワーさんたちに相手方から声をかけてもらい、本当に楽しい一日だった。これで夜も時間が作れて、あのままご飯でも食べながらいろいろ喋れたら最高だったけど、それは無理な話なのでまた今度。
対局の結果なんて本当に結果論でしかないし、1回戦に関しては全ての運が良かっただけではあるけれど、コツもつかめて自信になった、思い出深い一日になったと思う。
これでまた、リアル麻雀が打ちたいと思えるようになった。単純。だけど楽しかったからいいのだ。これからもめげずにがんばれ、自分!
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