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生霊

生霊をご存じだろうか。生きているのに、魂だけ出て行って勝手に行動してる状態・・・と私は理解している。
経営コンサルなのに、まったく経営と関係ない話。

私は起業家さんたちの支援の仕事もやるため、一般的な民家にお邪魔することがある。この日も、上の絵のような一般的なご家庭にお邪魔させていただいた。依頼人は妙齢の美人。すごくスタイルが良い女性。華やかな女性だ。

依頼人は若くて綺麗な女性

先生どうぞ。打合せは3階の部屋になります。ちょっと階段が狭いのできをつけてくださいね。 と女性は部屋の中へ案内してくれた。

1階から2階は普通の階段だけれども、2階から3階は、ほぼ梯子。
体重オーバーで上がるのに一苦労してる私を置いて、美人依頼者はすすっと上の階に上がっていった。 私は二階の部屋のドアの前に、男性が立ってるのに気づいた。 ご主人かな? ご兄弟かな? 
「こんにちは、お邪魔します。」と挨拶してみたが、返事がない。 不愛想な旦那さんだな~くらいに思って、私も梯子を上って打合せ部屋へ。

ご家族の方が2階の部屋の前にいる

打合せ部屋にて、事業計画についての話をきき、事業計画書を作る支援を始める。事業計画を作りながら、起業後をシュミレーションしていくのだ。

私@「ご自身はどのくらい給料とりたいですか?」
依頼者@「手取りはどのくらいか決めてないんです。」
私@「ご主人もいらっしゃるし、扶養家族でいたいかとかもありますよね。

依頼者@「え?私独身です。」
私@「あれ?さっきの男性はじゃあ、お兄さんか弟さん?」

依頼者@「うち、男性だれもいないです 母と私の二人暮らしです。」

私@「えっ。。。(-_-;) おかしいな・・・さっき挨拶したんだけど。」
泥棒とかだといやだよねーって事になり、二人で2階へ。
先ほどのドアの前には誰もいない。そのドアはどうも彼女の部屋のドアらしい。そこで私がこんな感じの人・・・っていう絵を描きながら説明したところ、

それ元カレです!

というではないか。

生霊!?  てのがそこで初めて出てきた。生霊でも怖いけど、本人でも怖い。警察呼ぶ?くらいの怖さだ。彼女によると、別れたのはずいぶん前で、最後は入院していると聞いたとのこと。

見たのは私だけだし、玄関の鍵は内側からチェーンもかかってるし、窓も締まってるため、「生霊の線が濃いよねー」という事になった。
彼女は、もっとしっかり別れるために、近所の「はさみ神社」に参拝します!と言ってたので、安心してその日は帰宅。彼女はそのあとすぐに「はさみ神社」にお参りしたらしい。


はさみが祭ってあるはさみ神社

翌々日、私が別の企業様の支援をしているところに、

緊急です!助けてください!

という連絡が彼女から入る。電話してみると

あの後、はさみ神社にお参りして、すっきりして家に帰ったら、お母さんの足にはさみが落ちて大けがをしてたんです! 病院連れて行きました。3針も縫う怪我でした。
しかもその話を、ジム仲間の友達に話をしたんです。その友人が、「怖いわ!さっさと消えて欲しいよね。」って言った途端、急に失神してその場に倒れたんです! 目の前で崩れ落ちる彼女を見て、ものすごく怖くなりました。

先生、私どうしたらいいですか?

そうか・・・お祓いっぽいのはダメか。
生霊といえど、元は人間。「さっさと消えろ」とか、「お祓いで祓いたい」みたいな気持ちが伝わるのはよくないんでは?

こんなに想ってくれてありがとう。 気持ちはよく分かったけど、応えてあげられなくてごめん、貴方の幸せを願ってるわ。

という風に、「相手の幸せを願うこと」が重要では・・・という仮説に至った。

その後、ことあるごとに、「あなたの幸せを願ってる」というのを繰り返したところ、生霊の姿は見えなくなったそうだ。

ここまではっきりと生霊出せてる人って、私の少ない経験では「本体は病気になってる」ケースが多い。元カレさんの場合、彼女に対する執着で、「絶対俺を捨てないでくれ」というような気持ちが強かったんだと思う。
相手がうまく執着を手放してくれてよかった。

毎度毎度同じやりかたで解決するとは思わないが、生霊も元は人なのである。というのが今回の教訓だった。



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