フローラS(GⅡ)・各馬評価

GⅡだし、未勝利勝ち上がったばかりとか、底が見えないのも多いので、今回は簡易的な評価になります。

例年の傾向

図2

図3

年によって多少ペースは変わりますが、おおよそ62~60秒辺りで推移。キツいペースや馬場が悪い年を除けばおおむね33秒台~34秒前半の脚が求められる傾向にあります。

あと上位3頭の枠見れば分かりますが、別に内枠が俄然有利ってわけでもないんですよね。新緑賞を見ていると内・先行有利に見えましたが、あればあの3頭以外ハッキリ言ってキレる脚なんてないのでああなるんですよね。

で、今年は?

逃げたいと言っているのは、シャンドフルールですが、続いてセイウンヴィーナスやスカイグルーヴ、ショウナンハレルヤらもテンは結構速いです。ただ、どの馬も別に逃げたいとは思わないと思うので、シャンドフルールを行かせて番手で虎視眈々と狙う形になりそうです。

昨年の天皇賞・秋や今年の大阪杯が分かりやすいですが、2,000mという距離はマイラーもスピードで押し切れる距離だったりするんですよね。つまり、中長距離馬で戦ってきた馬よりもマイラーの方がスピードで優位に立ちやすいですし、位置取りもマイラーがサッととってしまって、スローで位置を取ってきた中距離馬が後方に追いやられやすくなります。

なので、中距離馬は位置取りが悪くなる分、トップスピードの高さやギアチェンジ能力がないとマイラーには逆転しづらくなります。そういったマイラーと中距離馬とのスピードの差を理解出来ていない人は、終わった後に「何で先行しないの!?」とか言い出すんですよね。(大阪杯でのブラストワンピースが典型例です)

各馬評価

画像3

【1】エレヴァテッツァ

図1

ちょっと判断しづらい戦績。。ペースから考えると位置取りが悪くなる典型だなと思いますが、相手関係を考えると、新馬で葉牡丹賞勝ちのグランデマーレの3着、未勝利戦でフライライクバードの追込みを退けた点は評価出来ます。

未勝利戦でも10秒台の脚は使えているので、最内枠の利を活かして、好位からするっと差してこられると怖い1頭。

【2】セイウンヴィーナス

図4

着順が芳しくないことが多く、前走は全く評価していなかったのですが、クイーンCを色々見ていると決してフロックとは言えないなということに気づきました。

ラップ推移を見ると、ほとんどのレースで2F⇒1Fでラップが上がるか落ちても0.1~0.4秒程度です。特にクイーンCを見れば分かりますが、そこそこ流れたペースで先行してほとんどラップが落ちていません。つまり持続力がかなり高いということです。

ただ、トップスピードはそこまで持ち合わせていないため、位置取りが悪くなると新馬やフェアリーSのように前を捕まえる程の脚はありません。また、勝った未勝利戦は前が潰れたレースだったので、結果的に差し切れたという具合です。

故に、好位で位置を取るとかなり粘るタイプです。赤松賞で10.9秒⇒11.0秒の脚も使えているので、軽い馬場で中距離のゆったりペースなら余裕で差しを凌ぐ可能性があります。

【3】ウインマリリン

図5

これまで中山コースしか経験がなく、しかも昇級して2戦は稍重馬場。こういう馬が一番取捨に困ります。

談話では馬場が悪いのはあまり良くないとのこと。血統的には競馬予想TVを見る限り合わなさそうではあるようですが、「東京コースの速い上がりに対応できる可能性はゼロ」とは言い切れません。ただ、ミモザ賞で負かしたウインキートスは新緑賞で4着。正直大したレベルではないメンツですからね…。

あとは先行したいクチではあるものの、左右はマイラーでテンで確実に置かれるし、ギアチェンジ能力もそこまでなさそうなので、、、、

私も散々切る切ると言ってはいるのですが、一応最悪の最悪での押さえはしようかと考えています。

【4】シャンドフルール

図6

新馬戦でゆきやなぎ賞を勝つヴァルコスに勝利。千両賞では逃げてソウルトレインらを負かしました。

クイーンCでのパフォーマンスとチューリップ賞のパフォーマンスが違い過ぎるんですよね・・・これについては、以下のように分析しています。

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千両賞とクイーンCにおける前半3F走破タイムは全く同じ36.1秒(G誌より)だったため、最後もバテずに来れていたと思われる。逆に、チューリップ賞はそれよりも速いペースで追走したため、最後に脚があがっていた。
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また、クイーンCはセイウンヴィーナスより後ろにいながら、上がり3Fのタイムがセイウンヴィーナスよりも下で、ミヤマザクラと同じ。マイル適性はあまりないと思われるので、マイペースで走れる距離延長はプラスになるでしょう。

期待値は低いですが、千両賞のようにさっさか逃げられると怖いので押さえようかなというところ。

【5】ルトロヴァイユ

ゆりかもめ賞は意外に粘ったなとは思いましたが、とにかくテンが遅いので、位置取りが悪くなりそう。

軽い馬場となると、野芝で行われた中山の未勝利戦が該当すると思いますが、この時は楽に先行してそのまま押し切り。2着馬は最近ようやっと未勝利を脱出したレベルで、あまり評価出来ません。

【6】ウィスパリンホープ

図7

ほとんどラップが変わらないので距離短縮の意味がほとんどありませんでしたが、新馬戦でプライムフェイズ(1勝クラスでコスミックエナジーを負かす)の2着、未勝利戦で負かした2~4着馬は、未勝利上位or未勝利脱出済。

一発が怖い馬ですが、如何せん鞍上が鞍上。最後方待機とかしそうなので、軸にするのはやめた方が良いと思います。

【7】ホウオウピースフル

図8

クイーンCではまず来ないなと思っていましたが、思ったよりは頑張ったなという印象。ただ、今回も果たしてどこまで善戦できるかは何とも…。

百日草特別は5頭立てという少頭数に加えて、相手も雑魚ばかり。個別ラップは12.2-10.7-10.6で33.5秒(実測値)で10秒台を2F続けて刻んではいるものの、その前の1,200~1,400m地点で13秒台が続いているので、今回も同じような上がりを出せるかは疑問。

【8】リヴァ―ジュ

図9

時計が遅すぎます。1勝クラスも先行勢を全く差せていないので流石にここは…。

【9】スカイグルーヴ

図10

新馬戦は押し出されるような形で逃げましたが、1分2秒のスローとは言え、上がり3Fを11.8-11.2-11.1と加速ラップでまとめ、流した状態で2着以下に0.9秒差で圧勝しました(相手は全然レベル低いですが)。

2戦目は逃げ・先行勢が軒並み潰れる中、直線に入ったところで先頭になるなど、見せ場十分。ディアスティマやビターエンダーを全く寄せつけませんでした。個別ラップ推移は12.3-11.9-12.0と強さを示しており、特に逆らう必要がないと思われます。

【10】ヒューマンコメディ

新馬のレベルもさることながら、もうほとんど出涸らし状態の今の未勝利戦で勝っても全く価値はないので…。未勝利戦で負かしたミスミルドレッドはフローズンスタイル組ですが、この組のメンツが昇級後どういう状況になっているかを考えればそこまで能力があるとも思えません。

あと、未勝利戦は一見前残りを差してきたように見えますが、捲ってきて400m地点では先行勢に取りついているので、先行勢の中では余力が最も残っている状態でした。(3~4角もペースはほぼ上がっていませんし)

今回は捲れるはずがありませんし、位置取りもだいぶ後ろになりそうで、新馬戦での凡走を考えると、上がりの脚だけで手強い先行勢をぶち抜くのは至難の業。

【11】レッドルレーヴ

図11

新馬戦では共同通信杯3着のフィリオアレグロ、弥生賞を勝ったサトノフラッグと重賞馬券内に入る牡馬が同時に出走したメンツレベルの高いレースでした。

未勝利戦は、前半5F1分を切る流れるペースで中団から徐々に進出を開始し、馬群を捌きながら4角では先頭集団にまで取りついて押し切っており、レースセンスは高いなと窺える内容。

この馬の不安点は、東京で求められるトップスピード能力よりは、持続力型寄りな雰囲気がするところ。瞬発力がどこまであるかは、今回やってみないと分かりませんね。。

【12】ヴォリアーモ

図14

加速が遅い、ズブいタイプです。

リリーピュアハートより前にいながら加速が遅く(リリーピュアハートを外に出させない挙動も見られたのでそれに気を取られたのもあるかもしれなませんが)、先にリリーピュアハートに前に行かれた形。2,000mはややマイナスだと思われます。

【13】シャレード

図12

どのレースでもそこそこ走るのですが決定打がありません。君子蘭賞では、好位につけるも、逃げ馬や先行馬に対してなすすべなく崩れており、ここで巻き返すとは思えません。

【14】テイエムフローラ

毎日杯でダノンアレーやメイショウラツワン相手に凡走では足りないと思います。

【15】ショウナンハレルヤ

図15

前走5番人気で、あんなに分かりやすい不利食らってるのに今回人気ないのは意味不明ですね…。

周囲は鈍足馬ばかりなので、先行は出来ると思いますが、位置取りとペースがカギになりそうです。セントポーリア賞の時は800m~600m地点まで12秒台が続いていて道中緩んでいたことで展開が向いたことは否めません。

ただ、フローラSの過去のラップを見ても、同じようなペースになりそうな印象でおあつらえ向きの展開になる可能性は高いです。

【16】フアナ

図13

未勝利戦が強い競馬。そこそこ流れるペースで中盤こそ緩みましたが、ラスト3Fでは1F11秒台が続くレースラップを11秒前半~10秒台の脚で交わしています。16頭立ての6番手という好位につけて、10秒台の脚が使える程度に脚を削がれなかったことから、この馬の能力の高さを感じます。

よほど位置取りを悪くして大外ぶん回しなんてことをしない限りは、前を捉える可能性を十分持っています。

【17】レッドサーシャ

次走以降ボロクソに負けるメンツばかりで壊滅的にレベルが低い新馬戦。何も評価できません。。

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