宝塚記念(GⅠ)・各馬評価
(6/25 13:50更新)
阪神7Rの結果を受け、前がスローにならない可能性があります。その場合、×評価だったディープボンドの評価を上げる必要があります。
また、ドゥラエレーデも資金に余裕があれば押さえても。
前回の記事がヴィクトリアマイルの記事に次いで「いいね」を頂きまして、感謝でございます。
が、ちょっと意図と違う伝わり方をした面もあるので、簡単に振り返っておきます。
「考え方」の振り返り
簡潔に言うと、
1:宝塚記念は例年タフな展開となるが、馬場状態が変わってきており、少し前と性質が異なる
⇒タフな展開で差し追込も決まるような馬場から、スピード能力も問われる馬場に。去年、一昨年のエリ女のようなことは雨が降らない限りあり得ない。
2:馬場が軽いので大阪杯のようなロングスパートになりやすい、そうなれば前が残るのが基本
3:ただし、ユニコーンライオンは逃げが甘く、高速馬場が手伝ってロンスパがロンスパになっていないことが多い。上がり(33秒は要らないが、34秒台は必要)が求められる可能性もなくはない。
⇒こうなると、前とか後ろとかというよりはそれなりの脚を使える馬が台頭してくることになります
とまぁ、こんな感じの話をしました。
ちょっと終わり方がね・・・むにゃっとしてしまったのが良くなかったですね。すみません。。
阪神の馬場状態
木曜にそこそこまとまった雨が降ったことで、金曜時点では稍重、土曜は朝から良でレースが行われました。
グリーンチャンネルで出される馬場差の目安になるものは、個人的に考えた計算式で出せるのですが、見たところ、8Rの1勝クラスだと先週より少し掛かっています。ストークSだともっと掛かっているので、一旦保留。
明日はさらに乾くと思われますが、どこまで高速になるかはもう少し様子見が必要。クッション値に加えて、4角の含水率を要チェックです。8.0に近い程先週の水準に近いと考えられます。
枠から考えられる展開について
さて、各馬評価の前に、まず枠から考えられる展開について話したいと思います。
枠順を見た時、「あ~前速くなるかなぁ…」というのが第一印象。
逃げ・先行したい馬が真ん中より外に集中しています。特に、ユニコーンライオンとドゥラエレーデが大外の桃枠というのはなかなかです。
(アスクビクターモアはテンは速いのですが、近走駐立が安定しないので…)
その2頭の陣営のコメントや情報を見ると…
とまぁ、どちらも行けるなら行く、という具合。
2頭ともテンは速いですし、あとは出方次第というところはありそうです。
なお、調教ではドゥラエレーデの方がテンから速いペースで走っております。
ややスロー気味に落としたいユニコーンと、タフな展開にしたいドゥラエレーデという印象ですね。
一方で、今回はイクイノックス1強ムード。当然ながら各馬はイクイノックスを意識した競馬をしてきます。
で、イクイノックスはと言えば、先行することはほぼないでしょう。
ドバイシーマは逃げ馬不在で、最初の1Fがおおよそ15.5秒。日本式に直すにしても、せいぜい13秒後半。いずれにしてもテン1Fとしてはだいぶ遅いですし、この馬自身、キャリアの中で一番速くテン1Fを走ったのが新馬戦という状態。
そうなれば、後ろを意識しての早仕掛けもあり得そうです。
さて、こうなると考えられるのは以下のような展開。
ポイントは、
①前半に2頭が競り合うか否か
②どちらが逃げるか
もう1つは先で述べた通り、誰かが早仕掛けするかどうかというのもあると思いますが、そこまでは読みづらいところもあるので、まずは読みやすい初動の展開で考えてみたいと思います。
①競り合う+逃げ/ユニコーンライオン
競りたくないのはユニコーンライオンの方でしょう。先頭に立つのにもたつくと、ただでさえない足を使ってしまって後半が持ちません。
昨年の有馬記念でのタイトルホルダー、去年の大阪杯でのジャックドールもそうでしたが、逃げ馬が思うようにすぐにハナに立てずにもたつくと、足を使ってしまい、騎手も仕掛けどころを迷って結果自滅することが多いです。
なので、競り合った上でユニコーンライオンが逃げた場合、京都記念のようにロンスパが不発になります。ただ、GⅠですし、速く仕掛けたいであろうアスクビクターモアや、タフな展開にしたいドゥラエレーデの辺りは、仕掛けにもたつくと見るや、仕掛けてくる可能性が高いと言えます。
②競り合う+逃げ/ドゥラエレーデ
ドゥラエレーデがユニコーンライオンと違うのは、ある程度前半飛ばして逃げて、そこそこもっていた東スポ杯での経験があります(個人的にはここでの好走を見て、ホープフルSでワイド買ってました)。
3歳世代のレベルがだいぶ疑われていますが、馬券内に入るかはともかくとしても、「タフな展開にしたい」と陣営が言っていること、幸騎手はペースがちゃんと読めない(スローにしない)イメージが個人的にはあること、から、前半競り合っても、後半ロンスパにはなるのでは?と見ます。
③競り合わない+逃げ/ユニコーンライオン
個人的にはこの展開が一番嫌なんですが、冒頭でも話した3の逃げが甘い、という話ですね。
ロンスパがロンスパにならないので、結果的に上がり勝負みたいになります。近しいのは、それこそ本馬が2着に入った2年前の宝塚記念です。
当時は13頭で少頭数だったこと、後方勢が上がり勝負を覆せるほどの上がりを持ち合わせていなかったので前だけで残りましたが、さすがに今年はそう簡単にはいかないと思います。
④競り合わない+逃げ/ドゥラエレーデ
こちらの場合はペースが少々読みづらいですが、②でも挙げた理由から、そこそこ前半から引っ張る形になった上でロンスパになるのではと考えています。
と、ここまで前半の運び方から考え得る展開、4パターンをざっと書いてみました。
タフさで言えば、②>④>①>③となるでしょう。②が一番タフ、③が一番上がりが速くなる展開となります。
ここからの各馬評価については、上記を念頭に評価していきます。
各馬評価
【1】ライラック 評価:×
テンが遅く、最後方濃厚。馬場状態もマイナスで、①~④のどの展開になっても厳しいでしょう。
週中、エリ女の再現をという記事を何度も見ましたが、あれもだいぶ特殊な条件であることは考えておくべきポイントです。
【2】カラテ 評価:☆
鳴尾記念での凡走で人気は地に落ちていますが、前走は前が壁になってスパートのしようもなく終わっています。
前が壁になっていなければどうだったのか、が測りづらいので何とも言えませんが、この馬はタフな展開を最も好むタイプであることは明らか。
元々タフなマイルで実績を積み上げており、追走力やロングスパートに対する耐性はこのメンツに引けを取らないと思います。
ユニコーンライオンのゆったり逃げ⇒ロンスパだとちょっと厳しいですが、上がり35秒台の展開ならば、一発あってもおかしくないのでは?
新潟大賞典のイメージで重馬場専用みたいに思われていますが、別にそんなことはありません。
個人的にはここからのワイドは絶対に買います。
【3】ダノンザキッド 評価:▲
大阪杯では、当日の馬場を見て急遽マリア以外の本命馬として挙げた馬。
大阪杯の記事を見て頂いた方で、当日のTwitterを見て買ったという方もいらっしゃいましたが、以下のように評価していました。
今回はとにかく、馬場と展開と200mの延長がどう出るか。ここが大阪杯の時と比べて、強く推しづらい理由なんですよね…。
大阪杯の時はジャックドールが逃げるであろうことはほぼ明確でしたので、位置取りや展開含めて予想しやすかったですが、今回はそうもいきません。
なお、カラテとの違いは、馬場が重かったりとかスタミナが求められるとちょっと微妙なところ。
記憶にない方も多いかもしれませんが、中山記念で一度一緒に走っているんですよね。で、カラテが2着で、ダノンザキッドが7着でした。
なので、追走力の素地は2頭とも同じように持ってはいますが、適性は真逆に近いと言って良いでしょう。
【4】ボッケリーニ 評価:△
前走は鮮やかな勝ち方ではあったのですが、カラテが前塞がって何もできなかったりと、ちょっとレースレベルに疑問符がつきます。
実際、しばらくどうにもなっていなかったワンダフルタウンが4着に来ていますし、状態は良さそうではありますが、強く推すには材料に乏しいところ。
2,400m以上での上がり勝負に対応できる上に、ロンスパも得意なので、万能型。相手なりに走れますが、その分、GⅠでは総合力で負けている感じがします。
【5】イクイノックス 評価:○
ダービーでの高速ロンスパや、天皇賞秋での上がり勝負で力を示していますし、特段嫌う必要はないのですが、不安要素がないわけではありません。
1つは前述の通り、テンが遅い点。
色んな人の見解を見ている時に、たまに「逃げるかも」って書いている方がいたのですが、テンの速さをちゃんと見た方が良いです。ドバイシーマクラシックは相当に特殊なレースだったと見るべきです。
2つ目に有馬記念のラップ。
スルーセブンシーズが勝った中山牝馬Sでも見られたのですが、残り600~400m地点のラップが落ちています。
その後、後続を突き離しているので、もちろんイクイノックス自身が余力を持っていたわけですが、4角で3番手まで押し上げられていたのはラップの緩みによるところはかなり大きいです。
ですので、アレを捲ったと形容するのは正直誤り。仮に勝負所で緩まなかった場合、前が止まらなかった場合どうかは、かなり未知の部分です。
【6】スルーセブンシーズ 評価:×
時計が掛かるレース、上がりが求められるレース、どちらにも対応は出来るのですが、そもそもマーメイドSで10着に大敗しているように、阪神内回りコースがどうか。
テンがそこまで速いわけではないので、位置が後ろになって、速い脚を持続させる必要が出てくるとかなり厳しいように思います。
ストーリアが中山牝馬Sと同じ競馬を福島牝馬Sでやって馬券外に吹っ飛んだように、中山牝馬Sでの勝利は4角で12.0秒までラップが落ちたことが大きい。
仮にこの馬が馬券内に来るとすれば、ユニコーンライオンが逃げて高速馬場でロンスパ不発になった場合だと思われます。
【7】プラダリア 評価:×
ロンスパに対する耐性はありますが、重賞で3着が限界で一線級相手だとどうしても見劣りしてしまいます。
最後の1Fで垂れるので、上がり勝負はダメ。目黒記念の敗因もこれです。
前述の展開③で先行すればまだ残り目も考えられますが、今回差し競馬を示唆しており、位置を悪くして終わる可能性も。
【8】ヴェラアズール 評価:×
以前からこの馬については、上がり勝負での馬だと思っており、阪神内回りとは真逆の適性。プラダリア同様、③の展開になれば京都大賞典のように差してくる可能性はないとは言えませんが…。
【9】ジャスティンパレス 評価:▲
高速馬場のロンスパ戦が得意な一方で、有馬記念での垂れ方を見るに、馬場が重い持続戦はあまり良くないようです。
同じ2200mで言えば、神戸新聞杯を勝ってますが、あの日の馬場差は-2.0を超えるかなりの高速具合だったことに注意。
とは言うものの、高速馬場であればあまり嫌う理由もなく、流れるペース経験もロンスパ経験もあるので、位置どりさえしくじらなければ、弱点は少ないと言えます。
【10】ディープボンド 評価:×
昨年の惜しい4着のイメージが大きいですが、そもそも昨年はパンサラッサがえげつない逃げをしたことで、上がり上位でも36秒台というレースでした。
今年はさすがにそんな展開になるとは思えず…馬券内に来たとしたら、相当にキツいラップになってることが考えられますが…。
【11】ジェラルディーナ 評価:△~×
ライラックよりは前に行けるものの、やはりテンの遅さがネック。
しかも大阪杯とは違って枠が外になったことで、ロスなく立ち回れた大阪杯の時とは戦い方が変わります。
ドゥラエレーデが逃げてゴリっとしたラップを刻まれた場合に台頭。
【12】アスクビクターモア 評価:▲
ロンスパの鬼なので、ここ2戦は本来の適性とは合っていなかったと考えるべきところ。
特に前走については、上り坂の存在をガン無視⇒押して押して馬の体力を削るという騎乗ミス。(横山兄弟は京都の上り坂の怖さを知らないから危ない、という指摘は当たったけど)
あんなことしたらそりゃ最後垂れますよ。京都開催の天皇賞・春のレース過去10年分くらい見てからレースに臨んで欲しかったと今でも思います。
乗り慣れた阪神で一変の可能性は十分も、日経賞も天皇賞・春もゲートの出が微妙になっており、スタート次第では即終了の可能性も。
【13】ジオグリフ 評価:×
鞍上がなかなか発表されませんでしたが、ノッキングポイントと同様のケースだったようで。
持続力のレースが得意というのはクラシックの時期にこのnoteでも書いたのですが、その割に香港Cで結果が出ておらず、個人的にはちょっとよく分からない馬と化しております。。。
ただ、朝日杯FS、天皇賞・秋、香港Cの感じを見るにあんまりスピード競馬が得意ではない可能性も。
【14】ブレークアップ 評価:△~×
高速馬場・スロー・ロンスパの条件が揃った時に好走するようなイメージ。
過去の戦績を見るに、三方ヶ原Sのように前半からゴリゴリにペースが上がったり、有馬記念のように重い馬場でもロンスパ、は相性が良くないようです。
【15】ユニコーンライオン 評価:×
2年前には2着に好走していますが、これも前述の通り、展開と相手に相当恵まれていました。さすがにその時と比べると相手が悪い。
【16】モズベッロ 評価:×
豪雨にならないと無理です。
【17】ドゥラエレーデ 評価:×
3歳世代のレベルもそうですが、東スポ杯でのバテ方を見るに2,200mは距離が長いと思われます。
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