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    写真と言葉を。まいにち、まいにち。

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雪の降らない街

最後に雪を見たのはいつだろうか。 この街では雪が降らない。 もうかなり長い期間見ていない気がする。 寒いのが苦手だから、実は雪は少し苦手だけれど、それでも雪が降ると音が全て消えて雪が降る音だけが響く、そんないつもと違う街は心がおどる気がする。   この街では雪が降らない。 代わりに灰が降る。 そんな街にいられるのもきっとあと3か月。 高校を出て初めて一人暮らしをして、たくさんのことを学ばせてくれたこの場所。この先、おそらくもう戻ることはないとは思う。 そう思

    • 2018年をふりかえるなんて、そんなたいしたものでもないけれども。

      思えば一人での年越しははじめてかもしれない。 そんなことをぼんやりと考えながら、年越しそばがわりのパスタをほおばりながら、ふと今年を思いかえしてみる。 テレビでは面白いテレビディレクターが家を作りながらサメを釣っている。 それをみながら、今年は私も無人島(仮)で火を起こしてお湯沸かしていたなぁと思いだす。   「平成最後の~」なんて言葉がSNSにあふれ、そんな言葉を言い訳にたくさんの人がいつもはしないような特別なことをしたり、いつもと同じことを少し特別にしてみたり。

      • クリスマスの夜に

        昔からこの時期はなぜかわくわくした。 プレゼントも、ケーキも、きらきらと光るクリスマスツリーも、家族みんなで囲むいつもより豪華な夕ご飯も。 いつもと違うどこか浮足立つ街並みを歩きながら日に日に高まるわくわくは、まるで新しいおもちゃを少しづつ開けるかのごとく、クリスマスが近づくにつれて抑えられなくなっていく。   でも、いつからだろうか、そんなクリスマスやお正月、お盆といった季節を感じつ行事たちが、気に留めることなく過ぎていくようになっていた。 ハロウィンが終わるとイ

        • あなたはあなたらしく。わたしはわたしらしく。

          「なんとなく違う」 実はそう思っていた。 「みんなと違う」 それだけでなぜか苦しくなる自分が情けなかった。   理由なら分かっていた。 このもやもやの正体。ずっと感じていた違和感。   「社会人が楽しい」   ということ。   SNSで「社会人が一番楽しい」の文字を見るたびに、そんなことはないと分かっていても、どこか私の社会人生活を否定されている気がしていた。 誰も、否定なんてしていないのに。 一人で勝手に窮屈な世界へと逃げ込んでいた。 「社会人

        雪の降らない街

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          13本

        記事

          いつもまっすぐな君へ。

          初めて会ってからもうすぐ半年。 最初は一言も話してくれなくて それどころか、全然目も合わせてくれなかった(笑) とても恥ずかしがりやさんなんだけど 心を開いてくれるとびっくりするぐらい話してくれた。 とてもとても友達想いで これをすると相手が傷つくんじゃないかって いつも心配してる優しさに心が暖かくなった。 いつもまっすぐな君が時々羨ましくなる。 ここだと思った場所がどんなに遠くても 短距離走のようなスピードで走り抜けてしまう その姿を見ていると心配になることもある

          いつもまっすぐな君へ。

          夕日がとてもきれいだったから。

          なんとなく。 ただ、なんとなく、することがなく、予定もなかったから空港に早く行っただけだった。 間違えても時間に遅れないように、カウンターから一番近いカフェに入って、コンセントのある席を勝ち取ると、写真をまとめたり、友達と連絡を取ったり、ゆっくりと時間を消費していた。 少し時間ができると行き交う人を眺め、また作業に戻る。そんな短いスパンを繰り返しているうちに、ふと、保安検査場の向こうからオレンジ色の光が漏れていることに気付いた。 「夕日だ」 気付いたときにはからだが動

          夕日がとてもきれいだったから。

          遠く離れた異国で出会った君へ。

          あの1年でたくさんの人に出会ったけれど、君は少し特別だった。 流暢に英語を話し、 毎週末国境を越えて出かけていく。 エネルギッシュなのにとてもやわらかい雰囲気で、ゆっくり話すのにきちんと自分の意見が言える。 友達想いなそんな君。 あの、汚い寮に文句言いながら一緒に住んだ半年は、今思うととても輝いていた。 またいつか旅に出よう。 会わなかった間の話を鞄につめて。

          遠く離れた異国で出会った君へ。

          さよならはいつも、寂しさ9割、悲しさ1割。

          "It's time to say goodbye." この言葉がこんなに寂しいと思ったのは初めてかもしれない。 5日間の旅も終わりを迎えようとしていて、3日間一緒にいた友達とさよならしなければならなかった。 バス停まで見送ってもらったのに、私は寂しくて、しっかり顔を見て「ありがとう」を言うと、その場で涙が止まらなくなりそうで、 バックパックを荷物入れに預けてバスに乗るとき、「ありがとう」の言葉と、ひとつ、ぎゅっとハグをした。 出発の時間になりバスの扉が閉まったとたん、

          さよならはいつも、寂しさ9割、悲しさ1割。

          そうか。夕日を追いかけてここまできたんだ。

          そう錯覚してしまいそうな夕暮れだった。 沈む先は地平線ではないけれども、 雲があって沈んでいく姿が最後までみえなかったけれども、 それでも目が離せなくなるような魅力を、夕日はきっともっている。 世界中どこへいっても、夕焼けは最高の絶景だと思う。 追えるものなら、この沈みゆく夕日を追いかけて地球を一周してみたい。夕日を見たら次の場所へ移動する。そうやって西へ西へ進んでいく、そんな旅もきっと悪くない。 日が沈むか沈まないか、ただひたすらに夕日を追っていたら、モスクからコーラ

          そうか。夕日を追いかけてここまできたんだ。

          戻ってきたと思える場所をもっともっと増やしたくて。

          きっと人生で一番リピートしている国。マレーシア。 私がこんなにこの国をリピートしている理由はたったひとつ。 「おかえり」と言ってくれる人がこの国にはいるから。 帰ってきたらあの店に行こうと、行きつけのレストランに連れていってくれる。 初めて訪れたときから毎回行ってる薬膳鍋のバクテー。 ここも毎回訪れているシーフードレストラン。 そこで有名なマンゴージュース。 ちなみに、マンゴーの味はびっくりするぐらいしない。(笑) この国に来ても相変わらず食べてばっかりなのだが…

          戻ってきたと思える場所をもっともっと増やしたくて。

          時には昔の話をしよう。

          こんなに簡単に国境を越えるようになったのはいつからだろう。 パスポートと航空券さえあれば、あっさりと日本という国を出れてしまう。 私にとって、どこかよその国にいくことは大して難しいことではなくなってしまった。 「頭の中に常に世界地図を描けるように」 どこかの社長さんが言っていた大好きな言葉だ。 次の休みにどこいこう。 次に引っ越す先はどこにしよう。 好きな街はどこ? 今一番行きたいところはどこ? そんなとき、私の頭の中には世界地図が広がる。 その感覚が当たり前のよう

          時には昔の話をしよう。

          小さなことの積み重ねが大事だと分かっていても、どうしても大きく一歩を踏み出そうとしてしまう。

          昔からこつこつと何かを続けることが苦手だった私。 高校受験だって、大学受験だって、付け焼き刃みたいな状態で受験したし、 卒論は二徹して丸3日かけて寝ずに書いた。 就活なんて企業研究なんかもまともにしないままふらりふらりとやっていた。 続けることが嫌いなわけではないと思う。 保育園に通っていた頃から習っていたピアノは高校を卒業するまで13年通ったし、 歌が大好きでいつまででも歌える。 写真も撮り飽きない。 旅なんてきっと一生続けてる。   単純に好き嫌いの問題もあるの

          小さなことの積み重ねが大事だと分かっていても、どうしても大きく一歩を踏み出そうとしてしまう。

          旅に出る前はいつだってこどもの頃に戻ったみたいにわくわくするんだ

          もしかしたら、旅そのものよりも、旅に出る前の方が好きかもしれない。 そう思うぐらいにわくわくしている。 ただ、そんな気持ちとは裏腹に準備は全く進んでないないのは、数年前から変わっていないらしい。   久しぶりの一人旅。 決まってるのは行き先と向こうで友達と合流することだけ。 何を持っていけばいいんだっけ。とリストアップしたり、ネイルをしたり、お気に入りのピアスを探したり… 遠足の前の日にわくわくしてなかなか寝付けなかった子どもみたいに、あんなことをしよう、あんなもの

          旅に出る前はいつだってこどもの頃に戻ったみたいにわくわくするんだ

          ほんとうに、ほんとうにきれいだったんだ。

          きっと、私の中で死ぬまでに見たい絶景ベスト5にランクインしていたギリシャのサントリーニ島。 ドイツへの留学が決まった瞬間から、絶対に留学中に行こうと決めていた場所だった。 思えばこのとき、私の旅へのスイッチが入った気がする。 目の前に広がる、写真でしか見れなかった世界。 ほんとうにこんな場所あるのかなと、どこか信じきれいない自分がいた。   島について、この景色を見た瞬間を、私は一生忘れない。 目前に広がる景色は、写真で見るよりも圧倒的な迫力で私に迫ってきた。

          ほんとうに、ほんとうにきれいだったんだ。

          少し仕事の話をしよう。

          先週末関西で猛威をふるった台風21号。 そして、今朝未明に起きた北海道での地震。 天災続きの日本で、こんなに大きな天災が日を置かずして発生したことは、私の職場をカオスにするには十分すぎるほどだった。 なりやまない電話と、電話を取るたびに増える処理。 それでも新規の旅行の相談や、先の旅行の変更も受けないといけないし、明日明後日の休みの間の仕事の整理も溜まっていた。 追われに追われ、今日という一日をぼろぼろになりながら終えようとしていた。 そんな中、ただ一つ、最後に「本当に

          少し仕事の話をしよう。

          変わりゆく季節の繋ぎ目で

          最近、夜が涼しい。 数ヵ月前は大好きな季節をあんなにも心待にして、わくわくして、あれをしようこれをしよう、なんて考えていたのに、気づいたら大好きな季節は私より少し後ろを歩いていた。 帰路、徐々に低くなっていく気温を肌で感じながら、日に日に高くなっていく鳴く虫の声に耳を傾ける。 夏の虫よりもどこか儚く聞こえるその鳴き声が、心なしか涼しさを演出しているようにも思える。 その、季節を繋ぐ一つ一つが、疲れて内へとこもろうとする私の心を自然と外へと向けてくれる。   この町の

          変わりゆく季節の繋ぎ目で