多世代で生きる野田村に必要なコミュニティナースについて学ぶ(2)矢田明子著「コミュニティナース」の内容から
コミュニティナースとは
家族または擬似家族と生活を共に多世代で暮らす野田村を実現したい私としては、私自身がコミュニティナース化したいなと思って、まとめようと思ったのですが、膨大すぎてまとまらないので、少しづつnoteに書きだします。
(1)客員研究員の同期に紹介してもらったCOTEN RADIOの内容から
(2)矢田明子著「コミュニティナース」の内容から
(3)動画等事例詳細から
まとめ
この本の事例は、看護師が活躍する事で効果を出している事が多かった。じゃあ、私のような非医療関係者は実として何ができるのか?切実な悩みだと思う。
p.250に”看護師以外の人も「コミュニティパーソン」に”と記載されている。地域で人の暮らしに関わっていれば、看護師免許を持っていなくても、「いいおせっかい」ができれば小さなコミュニティナース状態だそうだ。看護師以外の人から「コミュニティパーソン」ができれば、子供もおばあちゃんもコミュニティパーソンになりえる。広がりやすくなりでしょうね。
面白い取り組み
p.254に、サン・セバスチャンの男性限定コミュニティであり秘密結社の「美食倶楽部」が紹介されていた。あるサロンに自由に集まり、その日に食べたいものを料理し、他のそうに飲み食いしているという。ここに足を運ぶ事が彼らの元気の秘訣とのこと。「元気で楽しく生きていく」事がテーマのコミュニティが真似できたら素晴らしいと思った。
健康になるために、何かを我慢したり努力するのではなく楽しむ事で健康になるのであれば、最高ではないか。
事例(個人)
名前:荏原優子
肩書:看護師「奥大和仕事づくり推進隊」
内容:地域食堂
効果:村の職員として集落の見回りをする「集落支援員」の枠組みを活用してコミュニティナースになった。
・村民の8〜9割が来るガソリンスタンドで勤めて接客をする。
・会話ではなく対話を大事にする
・ガソリンスタンドに寄ったついでに健康相談を受けている。
・車が無い人のところには、足を運んでいる。村にとっても見えづらい気になっていた層
・「医療の知識を持った民生委員だね」と言われた。
民生委員とは、地域で困り事がある人達をみつけ、そこに赴き、地域で見守っている役割の人です。それを医療の知識を持つ人がやると、より効果的になる部分があるかもしれません。
名前:小鹿千秋さん
肩書:看護師
内容:地域食堂
効果:地域食堂
みんなが集える昔ながらの”お茶の間”、家庭のごはんを食べられる食堂というコンセプト
「おかえり処、お結びころりん」
血縁関係がなくても、第2のおばあちゃんの家のように、くつろいでごはんをたべられる場所。
お結び、ケーキセット、駄菓子、などほっと一息つけるメニューを低価格で提供する
キッズスペースとオムツ交換代、車いすでも入店可能な土間スペース、車椅子対応のトイレを完備。料理を一口大にしたり、細かく刻むサービスもしている。
効果:常連さんから「手を動かしにくい」と相談を受けたので病院への受診を提案。リウマチだったことが分かり、内服薬が効いて症状が改善。病院に来る前の早いタイミングで気づけた。
・子供も訪れている。お店で遊んだり、宿題をしたり、塾に行く前に昼寝をしたりしている。
・もちつき大会、夏祭り、絵本の読み聞かせ、田植えを始め、お米イベントを企画・実施していて、お客どうしの交流をも生まれてきている。お客さんの口からポロっとでてきたつぶやきから活動が発展していく。
・地域の人たちの選択肢の一つ
名前:北側理恵さん
肩書:看護師
内容:お寺に地域の人を集めて交流会をした。「それまで培った活動やネットワークに”チョイ載せ”する。交流会の名称は「ぴかり」に。地域でぴかっと光る人たちを見つけていこうという目的で開催。
効果:お寺の門徒を中心に、毎回10〜20人が参加している。
得意な事を発表してもらって「地域のなかにこんな人がいるよ」と伝え、つながりを生み出したり、みかんが好きな人どうしでみかんを一緒に食べる「みかん感謝祭」を開催したり。
訪問看護ステーションを知ってもらうきっかけにする
名前:小林朋子さん
肩書:看護師
内容:「株式会社マザープラネット」で親子で気軽に参加できる子育てサロンを作った。「Fratto(ふらっと)」参加料は無料。遊びにきたついでに看護師に相談できるスタイルの場。
Facebookで直前に告知。初回は1組だけ親子が来てくださった。そのお母さんからの口コミがきっかけで口コミだけで広がっていった。
・参加者との世間話のような会話からだんだんニーズやこまりごとなどをひきだしています。効果:心が楽になった。もっと開催してほしい。
少しでもつなげる役目をしたいなと思っています。地域には「あらっ、あなたこんなところが得意なの!」という人がたくさんいるじゃないですか。そういう人たちを発掘しつないでいけば、よりよい住みやすい、まちにできると思います」
名前:河田浩司さん
肩書:コンサルタントとして、新規事業の立ち上げや業務改革、営業力強化などのプロジェクトをしてきた方。訪問看護ステーションの設立支援・運営支援を行う『ホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社』の取締役。
内容:都市型コミュニティナースのモデルづくり。
効果:
名前:高田弘美さん
肩書:看護師
内容:町立の病院で勤務しながら、病院外でコミュニティナースとして活動。
効果:看護師が病院から来てくれる事に喜んでもらえる。医療行為はできないがアドバイスはできる。体の異変を発見してどこかにつなげられたりするとやりがいを感じる。
名前:宮本裕司さん
肩書:看護師
内容:攻めの保健室
効果:住民が住民を気にかけ、話を聞くようになる。宮本さんに依存せずに地域が回っていく。ふるさと納税へ寄付をつ募るクラウドファンディングで1062万円を達成し、コミュニティナースの活動資金を調達。
事例(企業)
参考になった文章
・訪問看護を利用される方の話を聞くと、不安感や苦痛は、家庭や普通の生活のなかにあることも多い
・その人の普段の暮らしも見て知って、それを支えることが必要
・インフォーマルな場だからこそ、どの施設の〇〇さんというより、その人がどんな事に興味があってどんな思いを持って活動しているのか、個人として繋がりを強められるのがこの会の楽しさ。
・看護以外の方法で日常に溶け込み、多様なアプローチで人の健康をつくること。そして、「楽しいから一緒にいる」という接点から健康をつくること。そして、「楽しいから一緒にいる」という接点から健康に寄与していくことも学んだ。
・雲南市のユニークなシステム
・地域の横断的な組織として2005年から2007年にかけて雲南市の全域で設立されたのが「地域自主組織」でした。住民が連携して知恵を出し、地域課題を自ら解決し、地域が発展する事を目的としている。
・「地域自主組織」の事務所を旧・公民館に設置し、地域活動を住民の代表者が中心になって計画・実行し、士との話し合いを積み重ねながら協働のまちづくりを進めている。
・高齢者の見守りや配食サービス、放課後児童クラブなどの福祉活動、日用品の小売業、地元の食材を生かしたレストランなどのコミュニティビジネスなどの取り組みも始まりました。
・奥大和に住んどる人がずっとここで暮らしたい!というのが、我々職員の目標。
・自治体とは、一時期のためだけに大切な税金を使うより、仕組みを整えたり継続するために必要なものを考え、プロジェクトとしてシステマチックに作り上げるのが一般的です。
コミュニティナースとは”自由で多様””毎日の楽しい”
”自由で多様”とは
・患者やまちの人を主語にするのではなく、自分を主語にして考えてみます。
・「自分からふつふつと勝手に湧いてくる「情熱・関心」って何だろう。どんなことだろう」「何をしているときに夢中になるんだろう?」と、話し合い、発見していく。
・基本的に真面目な人が多く、つい求められることに考えが引っ張られるのです。
「コミュニティナースプロジェクト」は制度を実行する人材を育てるプロジェクトではないので、自分自身の「情熱・関心」を存分に地域に開いて、コミュニティナース自信が生き生きとする事を大切にしています。
・週に5日ほど専従でコミュニティナースの活動を行う人や、週に2日ほどコミュニティナースをする人、ほかのコミュニティナースの実践をときどき手伝う人など、さまざま。お金を稼ぐスタイルの人もいれば、ボランティアの日ともいる。
”毎日の楽しい”とは
・「健康のために〇〇を食べよう」より「おいしいから食べたい!」と人がつい考えるような機会を日常でつくる方が自然です。「ちょっと外食に以降」と軽いノリで出かけたらコミュニティナースと出会ってしまう、そんな形が理想です。
・これまでにはなかった日常を作り出し、そこの存在し対応している、そのこと自体が価値。
・コミュニティナースに求められるのは「暮らしのなかの身近な存在」として地域の健康に関係するつぶやきを拾い上げながら、信頼関係を築いて一緒に考え、行動すること。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?