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老後の一人暮らしの「孤独」を「自由」に変える行動力(おらおらでひとりいぐも感想)

大学で、”明るく楽しい老後生活を過ごすにはどうするか”を研究している一環で、老後の生活を描いた映画を観た。

主人公の桃子は74歳。夫に先立たれて一人暮らしている。

作者の若竹千佐子さんは執筆当時63歳。結婚後、息子と娘の二児に恵まれて、都心近郊の住宅地で子育てをしていたが、夫に先立たれている。桃子の生活はおそらく若竹さんの人生を似せて描いたのだと思われる。

55歳のとき、夫が突然、脳梗塞で死去。悲しみに暮れ自宅に籠る日々を送っていると、息子から「どこにいても寂しいんだから、外に出たら」と小説講座を勧められ、通いはじめる。主婦業の傍ら本作を執筆し、2017年、第54回文藝賞を受賞しデビュー。2018年1月、同作で第158回芥川賞を受賞する。

河出出版


桃子は孤独を回避するために、積極的にコミュニティに参加しないものの、自分の「好き」を大事に行動する事によって、楽しく暮らす事ができているのではないかと思った。独居老人の生活を「孤独」ととるか「自由」と捉えるか。「孤独」と「自由」の違いは行動力かもしれない。

・図書館に行って、男の子が好きそうな内容であっても自分の興味がある図鑑などを借りて読んでみる。
・セールスマンに勧められた新車を買ってみる。
・孫娘に、孫娘が持つ着せ替え人形の洋服を作ってあげようと思う。など

今、私は桃子のように年老いて1人で暮らしているわけではないが、これから桃子の様に年老いて1人で生きていく可能性が高いので、「孤独」な老後人生ではない「自由」な楽しい生き方を教えてもらえたと思う。

その他、桃子の孤独な暮らし「孤独」から「自由」にしているポイントがあると思ったので挙げてみる。この条件に当てはまるかそうでないかによって「自由」になるための行動が起こせなくなってくるので、重要な条件かもしれないと思った。

・住居:夫が残してくれた大きな家、そんなに築年数も経っていないので、住むには問題なさそう。駐車場も入庫しやすそうで羨ましい。
・食事:カップ味噌汁や買ってきた惣菜などを食べているが、栄養が偏っているわけではなさそう。トーストやお茶碗いっぱいの白いご飯を食べられるほど糖質の摂取に問題はないようなのでもしかしたら消化器官は私より健康かもしれない。
・健康:病院には通っているが、「様子を見る」程度。大きな問題はなさそう。車の運転もできる。ハイキングもできる。
・趣味:これと言ってはないが、読書。図書館で恐竜の本など46 億年の歴史について興味を持ちノートに記載している。
・孤独:日頃から話をするのは、図書館に勤める友人ぐらいではあるが、孫との関係性は良好。自分の空想で描いた自分の分身3人がたまに近くにやってきては話し相手になっている。
・家族関係:夫には先立たれたが、関係は良好だったよう。息子は遠くに住んでおりあまり帰ってこない。娘はバスで来れるほどの距離に住んでいて孫娘と孫息子がいる。
・特技:娘がまだ子供の頃に、フレアのスカートを作ってあげた事があった事から、裁縫が上手だと伺える。
・お金:使っている車の調子が悪くなったわけでもないのに、セールスマンに勧められて車を乗り換えられるので、お金に余裕はある方だと言える。


公式HP
https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/5619


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