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5歳のわたしは、フランスに恋をした

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二度のパリ生活や、留学、家族旅行などでフランスを訪れては、第二の故郷のように感じてきた筆者の目にうつる「フランス」を言葉にしていくエッセイ集。家族とのゆかいな思い出や、フランスの…
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#フランス語学習

5歳のわたしは、フランスに恋をした。

わたしの人生に、突然フランスが登場したのは、 保育園の年長さんにあたる、5歳の春だった。 大学教授をしている父のサバティカル(研究休暇)で、家族で一年間フランスのパリに住むことになったのだ。 初めての飛行機、初めての外国、初めての外国語…。それが、わたしにとってはこのときの経験だった。 自分が保育園に通う子どもの母親になった今、 もし子どもが親の都合で、住み慣れた町や、大好きな友達と離れることになったら、かわいそうだなと思う。 けれど、振り返ってみると、当時のわたしは、

お茶菓子とカセットテープとフランス語

自分の人生に、大きな影響を与えてくれた3人との出会いをあげるとしたら・・ 家族をのぞいて、最初のふたりはパッと思いつく。 この人との出会いがあったから、今の自分がある。 出会ってなかったら、きっと今、全然ちがう趣味とか、暮らしとか、働き方をしているかもしれない。おおげさではなくて、そんな風に思う人がいる。 わたしにとって、それは、一人目は中学の友人だ。映画日記を何冊も持っているほど大の映画好きで、出会った12歳の頃には、すでにずいぶんと映画を見ていた。彼女と仲良くなって、