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久しぶりに、感動、というか、そんな気持ちになった旅のお話。

いままでいろんなところでいろんな教会を見てきたけれど、もっとここでゆっくりしたいな、と思ったのは、はじめてかもしれない。

いつまでも見ていられた。言葉では表すことのできない、なんとも言えない空気がそこにあって、とてもとても、きれいだった。きれいだな、と思える心があることにも、感謝した。

***

そんな教会のある、殺人多発都市上位常連のエルサルバドルの首都サンサルバドル。

1年2ヶ月になる旅一番の緊張が走っていた。中米はあまり治安がよくない、いうのは各所から聞かされていた。世界の旅人のバス情報投稿サイトを頼りに、めずらしく乗り換え方などの想定をよくよくした。しかし、まあ実際全部がそんなにうまくはいかない。

バスの停留所があるらしい場所に、ない。

結局いつものように、周りの人たちに「ここにゆきたいのですが…」、と聞いて探すこととなった。すると、通りがかり話が聞こえたらしいおっちゃんが”向こうだよ”と念のため周りの人とみんなで番号を確認し、バスが来るらしいところへ連れて行ってくれた。

その場に着くと今度は目の前のお店のひとに、”この子はここにいきたいから、バスが来たらおしえてあげてね”みたいに頼んでくれ、おっちゃんは去っていった。お店のひとも、”おっけ”と快諾。仕事に忙しいながらもバスが来ないかものすごく気にかけてくれていた。向こうからバスが来るのが見えるなり、すぐ隣のおばちゃんに”来たから連れてってあげて”、と合図する。すると今度は隣のおばちゃんが動いてくれる。にこにこしながら、”あれよ”と。

もう、みんなが優しすぎて、とにかくうれしい。実はこういうことは、旅をしているとよくあることなのだ。こうして暖かい思い出ができて、その国の印象が良くなって、すきな場所が増えていく。世界中が持っているこういう暖かさを、お互いにたくさん感じ合うことができたら、もっともっと、世界は平和になるんだろうな。

ちいさなやさしさやありがたさ、あたたかさ、うれしさやよろこびをいつまでも感じられるひとでありたい。


(よくあること、ってすごくないですか?大陸も、人種も、損得も関係ない。世界は、やさしさでできているとおもう。)

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