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冷やし中華にみかん

実は私は、三十数年の人生の中で、数回しか冷やし中華を食べたことがない。

今回のこの冷やし中華は、新潟出身のご夫婦中心に作られたのだが、あまり冷やし中華をたべたことがない私でも、不思議な感覚があった。きれいに彩られたその器には、申し訳なさそうにみかんが添えられていたのだ。

このトッピングはどうやら地方によって異なるところがあるらしい。あるところでは、さくらんぼが乗ったり、マヨネーズをかけたり、様々だそうだ。こんな”地方ルール”、みたいなのが、わたしは結構すきである。

ある人にとって、当たり前だったことが、ある人にとっては初めてで、新鮮。育ってきた環境が違う者たちが集って、新しい価値観を知り、経験して、自分の価値観として次の道を選択していく。地方ルールには、自分の価値観の中でしか生きていなかったら出会えなかった選択肢があり、それに触れることで少しだけれど世界が広がってゆく感じがとてもすきだ。

今回は、わたしにとって、初めてだったことは2つあり、”冷やし中華にみかんはアリ”という事実と、”今まで味が濃すぎて少し苦手だった紅生姜をおいしいと感じられた”ことだ。後者は、味覚等の内面的な変化によるものなのかもしれないが、常に自分の中で答えを明確にして、“冷やし中華にみかん?!絶対に食べません!“、“紅生姜も苦手なので抜いてください!“、とはなから拒否してしまったら、この初めての経験、世界の広がる感覚は得られなかっただろう。

今回新しい経験をさせてもらえたことで(冷やし中華はそもそも自分で作らない)、世界が広がったことに味をしめたので、これからもより多くのことに、一度オープンに受け止め、そこから考える、というスタンスを貫いていこうと思う。

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