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マネージャーなんてなりたくない?

ふとTwitter で目に止まった同じ名前の方のnoteを読んで、いろんなことを思い出しました。そして今チームをつくっている中で、思い出すことも多いしちょうど色々な人と最近話す機会も多かったので私もまとめておきたいと思います。

流れと勢いでマネージャーに

私が初めて”マネージャー”になったのは、新卒で入社した株式会社キャリアデザインセンターの3年目の秋。営業が面白くて面白くて、無我夢中で働いていたらマネージャーになる機会が巡ってきました。今思えば、たかだか25歳くらいの私にチームを任せてもらえることなんて、上司たちにはもちろん、私のチームに配属されて一緒に働いてくれた面々にも感謝しかありません。

ただ、今振り返って思うのはもう少し準備したかったし、した方がよかったということ。四半期ごとに営業目標をもつ会社で、最終日まで数百万足りなくて達成できるのか・・・!?というところを最後奇跡が起こって達成。そして翌日からマネージャー、です。達成すればマネージャー、未達ならもう一回やり直し・・という状況なので準備もへったくれもない状態でした。

当時はとことん売り上げて、早くマネージャーになって、もっといい仕事ができるチームを作るというハシゴしか見えていなかったし、それだけ知っていればなんの問題もありませんでした。だからなぜか”昇進すれば自然に私はマネージャーになれる”という謎の思い込みをしていました。今思えば謎でしかありません。

そしてもう一つの落とし穴が「自分ができることはみんなできるはず」と思い込んでいたこと。マネージャーの仕事は任された売り上げ目標を達成すること、というのは確かにそうなのですが私がやってきたことをみんなができれば達成する→そこをとことん教えよう、きっとみんなできるという図式を勝手につくっていました。

もちろんうまくいくこともありましたが、今振り返っても”マネジメント”としては全然足りないところが多すぎて、当然マネージャーフィードバックではボコボコにされるわけです。わかっているからこそそのフィードバックが辛い。そしてどんどん自信を無くしていきました。やりがいはありましたが、今思い返せば辛かった記憶の方が強かったと思います。

もうマネージャーには絶対ならない、と誓っていたのに

辛かったらやりたくないですよね。なので、Googleに転職するときにはもう二度と私はマネジメントはしない、と決めました。現場でとことん頑張る、いわゆるプレイヤーと手の道を極めることもアリなのでは、と。

マネジメントが大変そうに見えるので、マネージャーにはなりたくないという方もたくさんいますが、私の場合はその1回の経験が辛すぎて、二度と触れないように蓋をしたという感じです。

でももちろん、その蓋を開ける時がきます。正確には自分では蓋を開ける気力はなく、当時の上司が開けてくれたのです。上司のシンプルな「Googleにせっかくいるんだからこの組織でマネジメント、やってみたら?」という一言と、長期に渡るディスカッションと準備が、もう一度マネージャーになってもいいかな(まだ”なりたい”までの強い気持ちはなかったです)と。

私が入社した頃のGoogleはまだまだアメリカでIPOしたばかりのスタートアップで、YouTubeが買収された年でした。マネージャーの話が出るのは4年目くらいで、組織も少しずつ大きくなりやれることが多くなってきて、組織や仕組みについても色々な記事で取り上げられるようになった頃です。

そしてもっとも大事なのが準備。元上司と「マネジメントって何なんだ」ということをかなりの時間と回数をかけて話し合いました。1:1で話すこともあったし、営業先に向かう途中で話すこともあったり、とにかく話した記憶があります。そして話は元上司とだけではなく、様々な社外のマネージャーと話す機会をつくってもらいました。

マネージャーって、マネジメントって何なんだろう

それまでずっとマネージャーは、「”よく”働いてもらうために、メンバーのモチベーションをあげるためにいる」と思っていました。ここの”よく”というのは時間ではなく、いい仕事をしてもらう、というものとその人にとっていい状態で仕事をしてもらうという意味です。

でも気づいたのはそれはあくまで仕事の一部であるということ。もっとも大事なのは「チームで仕事をする。そしていいチームを作る。」こと。マネージャー、とは人のマネジメントだけではなく、チームを一つのプロジェクトとみたてて、そのプロジェクトを進行していく役割ということです。

当時、マネジメントに関する本をたくさん読みました。元上司からも何冊か課題図書として贈ってもらいましたが、一番なんども読み返したのがこの「CEO 最高経営責任者」です。様々なCEOの「最初の100日」について書かれている本です。マネージャーなのにCEO??ともらったその日は頭がハテナだらけだったのですが、すごく大きな視点では同じですよね。

ちなみに最近よく読み返しているのが「Culture Code」です。いいチームには何が必要なのか、共通していることは何か、成功例だけではなく失敗例も取り上げられています。

完璧なマネージャーはいない

2回目のマネージャーとしての仕事は、1回目に比べたら格段に面白くて、多くのことが学べ、実践できたと思います。もちろん、失敗もたくさんしました。失敗の方が多いかも。でも「次は絶対やらない」という気持ちにはならなかったので、やはりあのたくさんのディスカッション(1人で考えるのは苦手なタイプ)で自分なりの定義がつくれ、また準備ができたのがよかったのだと思います。

そして今、3回目の挑戦をしています。ビジネスモデルも組織の文化も違えば、そこに集う人も違うし、組織自体も日々変わっていきます。今までの成功例が通用することもしないことも。もちろん、求められることや成果もポジションによって異なります。だから日々勉強だし、日々成長が求められます。だって”完璧”なマネージャーはいないし。

マネージャーだって1人の人。それを忘れないように、色々試行錯誤する日々は続きますが、少なくとも「マネージャーなんて嫌い」とはもう言わない自分がいることだけは確かです。

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